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2012年夏「原発ゼロでも電力は大丈夫」これだけの証拠 vol.2

[週刊大衆05月28日号]

また、東京電力は、7月から10%程度を予定している家庭向け電気料金の値上げに合わせ
電力使用量が増える夏季の午後1時から4時の時間帯をピーク料金として高めに設定し
使用量の少ない夜間の料金は安くする「新料金プラン」を発表したが
「夏のピーク時の電力パターンを見ますと、主に電力を使っているのは企業。一般家庭の使用量は需要全体の3分の1以下です。ポイントは、企業がいかに効率的に節電を行なうかで、一般家庭でも節電に協力する意識は必要ですが、決して無理をすることはありません」(松原氏)

なんと、一般家庭では無理な節電をしなくても乗り切れるというのだ。
それにもかかわらず、電力各社が執拗に「原発再稼働と電力不足」をセットで、かくも全国民に喧伝するのは、なぜなのか。

「原発に絡む利権構造が出来上がっているからです。エネルギー政策という美名の下、政官財が原発利権の追求に邁進していった経緯があります。それも原発以外の発電ではコストがかかるという周到なシナリオを用意して」(前出・船瀬氏)

福島第一原発事故が発生するまで、発電1キロワットあたりのコストは、水力が11.9円、石油10.7円、石炭5.7円。それに対し、原子力は5.3円と安く、CO2を排出しないクリーンなエネルギーという触れ込みだった。
しかし、これにも大きなカラクリがあったというのだ。
「事故後、地元への補助金などがコストに反映されていないことが明らかになりました。つまり世間に公表していたコストは、自分たちに都合のいいものでしかなかったんです」(船瀬氏)

さらに松原氏も、原発の危機管理に関して、こう苦言を呈する。
「原発が稼働しないと、電力各社に大きな損失が出て、各企業の業績にも支障が出ます。経済界の団体もそれを恐れますが、原発事故後の安全面については軽視されている気がします」
政府はストレステストを行なうことで、原発の安全性をアピールしているが
「ストレステストも、安全とはいい切れません。大飯原発ですら、テスト項目の3分の1はクリアできていないんです」(船瀬氏)
こうなると、過剰な喧伝や値上げは、電力会社や一部の議員や官僚、財界人たちの利益のために、民意を“原発再稼働”に仕向けるためのブラフだというようにも思えてくる。

評論家の小沢遼子氏は、次のようにいう。
「政府は躍起になって再稼働にひた走っていますが、国民に、なぜ再稼働が必要なのかは伝わってこない。再稼働が必要なら、その前に安全の確保はどうなっているのかといった部分の説明が、まったくないんです。政策として、きちんと説明していくことが大切です」

また、船瀬氏も、
「政治が原発を推進し、電力各社が設備を担当、莫大な利益をあげる。それが政治献金、パーティー券購入など、様々な形で政治に還流していく。電力不足うんぬんではなく、この悪しきシステムを断つためにも、原発再稼働はする必要がありません」

ともあれ、電力供給が厳しいのも事実。
ならばこそ、この夏、日本全国で効率のいい節電を実現させ、原発が不要なことを証明することで、政官財の癒着の構造を粉砕したいものである。

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