日刊大衆TOP トレンド

傍聴人も思わず「え~っ!? 」ヘンテコ交通裁判実例集 vol.04

[週刊大衆02月03日号]

Case4-老人ドライバーに下された簡裁高裁&「拍手喝采の男気判決」

年金暮らしの老人男性が運転中、右折時に横断歩道の老婆に衝突。
転倒させ、上腕部骨折などの重傷を負わせた。

略式裁判にて『自動車運転過失傷害』で罰金50万円の支払い命令を受けたが、被告側が"到底払えないから"と申し出、正式裁判が行われることになった。

裁「主文、被告人を罰金50万円に処する。その刑の執行を3年間、猶予する」

東京簡裁の小さな法廷で、裁判官がサラッと異例中の異例の判決を言い渡した。

「これには、"ええ~っ!?"と声が出るほどぶっ飛びました。無罪判決は年に数十件ありますが、罰金の執行猶予は年に3件あるかないかですからね」

老婆を轢いてしまった被告人は前科なし。
年金暮らしで、前年の納税額はゼロ。

さらに、被害者も処罰を求めていなかった。
「通常、払えなければ、1日5000円換算で労役場留置となりますが、この被告人の内縁の妻が重い病気なんだとか。50万円の罰金に相当する100日間も労役場に入ってしまったら、看病ができなくなってしまいます。まさに、男気溢れる温情判決ですよ!」

しかし、検察官は、罰金の実刑、つまり執行猶予の取り消しを求めて控訴した。
「驚くべきなのは、ここから。簡易裁判の判決が控訴され、勝負の場が高等裁判所に移ったんですが、その裁判長がスゴいのなんの」

開廷前から和やかムードの裁判長は被告人の窮状を聞くや、さらにニコニコし、こう言ったという。
裁「ぶっちゃけた話ね、禁錮刑で執行猶予のほうがいいんじゃない?」

「おい、そんなこと被告人に聞くか(笑)。通常、牢屋に入る禁錮刑は罰金以上に重い。しかし、この被告の場合は違う。罰金こそが生活を破綻させるものです」

被告人も明るく、被「じゃ、それでやってもらえれば」
裁「いや、そうなるわけじゃないよ(笑)」

「もうおかしくて。控訴した検察までうつむいて笑ってましたよ。でも、結果的に判決は"原判決破棄、禁錮6月、執行猶予3年"。"相場"に縛られず、状況を見て適切な判決を下す裁判官が時々います。時にヘンテコで、時に感動的だからこそ、交通裁判の傍聴はやめられません」

この記事が気に入ったら
をしよう

いいね!

@taishujpさんをフォロー

大衆のオススメ


オススメタグ


人気記事ベスト10


日刊大衆公式チャンネル


Copyright(C) 日刊大衆 Futabasha Publishers Ltd. All rights Reserved.