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細川護熙元首相VS舛添要一元厚労相「原発都知事選」壮絶舞台裏 vol.01

[週刊大衆02月03日号]

東京都知事選恒例の【後出しジャンケン出馬】。
今回、後出しをしたのは、細川護煕・元首相(76)だった。
「本命視されていたのは、自公の推薦を受けた舛添要一・元厚労相(65)でした。ところが、噂されていた細川元首相が出馬を表明。これで【2強揃い踏み】となった感があります。【東京五輪と社会保障の舛添】か、【脱原発の細川】か――雌雄を決する戦いの幕が切って落とされましたね」(全国紙政治部デスク)

火事と喧嘩は江戸の華。
久しぶりの血沸き肉躍る展開に、首都・東京は熱く燃えている。

しかしなぜ、1998年に政界を引退し、以来15年以上も政治から遠ざかっていた細川氏が突如、立候補を決めたのか。
「細川さんは、熊本県知事時代から"いつかは都知事をやってみたい"と周囲に話していました。そこへ、猪瀬前知事の退陣が転がり込んできた。それで、細川さんの真意を知る周辺が、最後のご奉公と騒ぎ始めたんです」(前同)

細川氏が"いま一度、政治家として立ちたい"との思いを強くしたのは、政府の原発政策に対する憤りからだったという。

昨年9月19日の毎日新聞の編集委員との対談では、〈今、政治は国民の方を向いていない。脱原発を明確にすべき。汚染水の垂れ流しは(対策を、国が)前面に出てやると言うが、何を今さらという感じですね。これはもう犯罪です。とてもオリンピックどころではない〉と、安倍政権を痛烈に批判している。
「安倍自民の推薦を受けた舛添さんが、都知事の有力候補であることに我慢がならなかったようです。日本新党を立ち上げたときも、自民党の一極支配の打倒がその原動力でしたから、今回も政治状況的には似ていると言えます」(同)

10年から全国で開催された特別展『細川家の至宝~珠玉の永青文庫コレクション』も終わり、自由な身となったことも、出馬を後押ししたという。
「細川さんは原発を争点にするつもりですが、五輪政策でも奥の手があります。別居中の奥さんです。細川さんの奥さんは、障害者のパラリンピックなどを長年支援しているため、その方面の人脈が豊富。これを最大限利用するでしょうね」(旧日本新党関係者)

"隠居した殿様"は、あくまでも仮面。
その実、政界復帰に色気たっぷりだった細川氏。

ただ、彼も成算なく都知事選に立候補するほど無邪気ではない。
応援を買って出た小泉純一郎・元首相の動向を、注意深く探っていたという。
「小泉さんから色よい返事をもらえなかったら、絶対に出馬はなかった。なんだかんだ言っても彼は自民党員だし、息子の進次郎君は自民党で売り出し中のホープ。昨年10月に、細川は小泉さんと対談し、反原発で意気投合していたが、正直言って、応援してくれるという確証はなかった」(細川氏の周辺)

ところが、さすが"変人"と呼ばれた御仁。
小泉氏は細川支援を快諾し、「東京が原発なしでやっていけるという姿を見せれば、必ず国を変えることができる。国政にも十分刺激を与えられる」(1月14日、細川氏の会見での小泉氏の発言)と、豪語。

細川・小泉両氏が参戦したことで、原発再稼働を政権浮揚の起爆剤としたい安倍首相周辺は真っ青となった。

評論家の小沢遼子氏が、興奮気味に語る。
「ある意味、首相を決める選挙よりワクワクします。安倍政権は原発再稼働・原発技術の海外輸出促進という姿勢。一方、細川・小泉元首相連合は、それに真っ向対決。今回の都知事選は、国政選挙そのものと言ってもいい展開です」

なるほど、都知事選の結果が、安倍政権の命脈を握ると言っても過言ではないだろう。
「細川さんは、都が大株主の東京電力に対し、太陽光・風力発電、木くずなどを利用したバイオマス発電などの"再生可能エネルギー基地"の建設を要求すると主張、原発については即時ゼロではなく、段階的に依存度を減らす方針です」(前出・政治部デスク)

対して、安倍政権は、「東電が破綻すれば、出資している金融機関をはじめ、様々なところに影響が出ることを危惧しています」(政治評論家・本澤二郎氏)というのが本音。

都知事選は地方選挙だ、などと侮るなかれ。
沖縄県知事が米軍基地移転を巡り、国政を左右する影響力を持っているように、国政は密接にリンクしているのだ。

事の重大さを知る舛添陣営は、すぐさまリアクション。
「舛添陣営は、今回の都知事選は原発問題に限らず、20年の東京五輪や首都防災問題、さらには待機児童など重要な問題が山積みだと喧伝しています。これは事実ですが、真意は原発という焦点を薄めるためでしょう」(民主党都議)

小泉氏が得意とする"ワンフレーズ・ポリティクス(直訳すれば、ひと言政治)"の術中にハマれば、舛添陣営は苦境に立たされる。

今回、細川・小泉陣営が仕掛けるのは、「"原発ゼロでも日本は発展できる"か"原発なくして日本は発展できない"か」という、二者択一を都民に迫る作戦だ。
「原発がひとたび事故を起こせば、深刻な被害をもたらすことは福島の惨劇を見ても明らか。都民にとっても、この"踏絵"はかなりのインパクトがありますよ」(前同)

舛添・自民陣営にとっては郵政ならぬ原発選挙への恐怖心の裏返しか、細川・小泉陣営に対するネガティブキャンペーンを始めた。

まず口火を切ったのは、安倍首相側近の甘利明経済財政担当相。
「(肥後熊本藩主末裔の細川氏を指して)殿、ご乱心」と揶揄。

東京五輪組織委員会の会長就任が決まった森喜朗・元首相は、「小泉氏の原発反対論で都知事選を勝とうとしている。卑怯だ。フェアではない。原発をからめて通ろうとする人は、心がやましい」と強烈に牽制。

安倍首相の懐刀である菅義偉官房長官に至っては、「猪瀬都知事はおカネの問題で辞職したが、細川さんも20年前、佐川急便から(借り入れたとされる)猪瀬さんの倍のおカネの問題で辞任した」と、"スネの古傷"まで引っ張り出して、細川サイドを牽制する始末。

ただ、「自民は"攻撃"の口火を切りましたが、実は党内は一枚岩ではありません」(前出・全国紙政治部記者)

舛添氏支持に至る過程で、"不満のマグマ"が蓄積しているというのだ。

02月01日公開のvol.02に続く・・・。

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