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プロレスファンにとって夢の国は「TDL」ではなく「東京ベイNKホール」だ。

2014-11-08

プチ鹿島の連載コラム 「すべてのニュースはプロレスである」

自分のラジオ番組のコーナーで、80年代の社会・芸能・スポーツの中から毎週ルーレットでジャンルを決めて話す時間がある。今週のお題は「1983年の社会」だった。テーマはすんなり決まった。「東京ディズニーランド開園」である。

去年開園30周年を迎えた東京ディズニーランドはますます大人気。先週は「夢も2倍に?TDL拡張計画」(朝日新聞・10月31日)という話題も報じられた。子どもに人気のエリア「ファンタジーランド」の面積を2017年春以降に2倍に広げるのだという。一向に衰えることのない娯楽の聖地。

しかしよく考えたら私は開園2年目に1回行っただけ。別に避けていたわけではない。1回行ったらインパクトが強すぎたので「もう少しほとぼりが冷めたらまた行こう」と考えているうちに30年経ってしまったのだ。色あせない30年。すごい。

ラジオでそんなことを話していたら、私が京葉線だの舞浜だの駅からの行き方など「1回しか行ってないのにけっこう詳しい」とスタジオでは不思議がられた。

答えは簡単だ。確かに私はディズニーランドには1回しか行っていない。しかし同じ舞浜にあった東京ベイNKホールには何度も通ったのだ。私にとっての夢の国はNKホールだったのである。とくに印象深いのは「リングス」。前田日明がUWF解散後にひとりぼっちになった後に旗揚げした団体。いや、ネットワークか。オランダとかロシアとか「格闘技・夢の国」から続々と強豪がリングスに来襲した。よく使用していた会場が東京ベイNKホール(2005年に閉館)だったのだ。

そこにはミッキーマウスもドナルド・ダックもいない代わりに、ディック・フライとかヴォルク・ハンとかクリス・ドールマンらの強すぎるキャラクターがいた。黎明期にはロブ・カーマンだとか佐竹雅昭とかも参戦していて格闘磁場のようだったリングス。

あの当時、舞浜駅からはバスのみが出ていたが、私は興行が終わると駅まで徒歩で向かった。けっこう遠かったがその日の試合を頭で振り返りながらとぼとぼ歩くのがなんともよかったのだ。こんな思い出話でラジオ番組は東京ディズニーランド特集がいつのまにかNKホール特集になっていたのであった。

きのう、リングスにはかかせなかったハンス・ナイマンの訃報が飛び込んできた。強さはもちろん、あの顔つきだけで「夢の国」の入場料が取れた男だった。

昨年3月9日の金原弘光プロデュース「U-SPIRITS again」 に久しぶりにやってきたナイマン。鈴木みのると闘った。

相変わらずのいかつさだったなぁ。


プチ鹿島
PROFILE
1970年5月23日生まれ。お笑い芸人。オフィス北野所属。時事ネタを得意とする芸風で、新聞、雑誌などにコラムを多数寄稿。ラジオ番組「東京ポッド許可局」(TBSラジオ)、「荒川強啓のデイキャッチ」(TBSラジオ)、「キックス」(YBS山梨放送)ほか、TVや映画など多方面で活躍中。





「教養としてのプロレス」(プチ鹿島/双葉社)
2014年8月7日発売 新書判304ページ





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ブログ:http://orenobaka.com/
ツイッター:@pkashima

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