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第32回 中国漁船が宝石サンゴに殺到する本当の理由は?

2014-11-13

歌舞伎町案内人 李小牧が暴く!日本人は知らない「中国ニュースの裏側」

東京から南に遠く離れた伊豆諸島と小笠原諸島の近海で、「宝石」サンゴに殺到する中国漁船の様子が最近、ニュースで伝えられた。200隻もの違法漁船団を見て、「中国人のサンゴ愛」に驚いた日本人も多かったのではないか。

最近の日本人はあまり関心を持たなくなったが、中国人にとって縁起のいい赤色のサンゴは今も貴重な宝石の1つ。あの何ともいえず深いサンゴの赤色が、政治から日常生活まで、とにかく赤色好きな中国人の心に響くのだ。

今回の密漁事件で、中国政府は2010年の尖閣問題のときのように日本政府に激しく抗議しなかった。この海域は中国政府が領有権を主張できない明らかな日本の領海だから、当然といえば当然だ。北京でのAPECを控えた微妙な時期だったこともあるだろう。

ただ、それでも、
「なぜこの時期に漁船団が急増したのか」
という疑問は残る。中国政府はこれまで違法なサンゴ漁をする漁師を何度も逮捕しているが、本気を出せば一網打尽にできるはずだ。日本のサンゴ漁関係者の中には、
「小笠原は好漁場だが、伊豆はそれほどサンゴがいないはず」
という声もあるという。漁船団にはバックがあるのではないか――。日本人がそう勘ぐるのも無理はない。

今回、日本の海上保安庁は尖閣諸島と伊豆・小笠原諸島の2カ所で中国船に対処する「2正面作戦」を強いられた。その結果、今の巡視艇の数では到底、中国船に対応できない実態が浮かび上がった。

おそらく、今回の事件の背景にあるのは中国側の経済事情だろう。実際、中国では余ったカネの投資先としてサンゴの値段が高騰している。

ただ、それだけでは割り切れないモヤモヤした思いも残る。慌てふためく日本の海上保安庁の様子を見て、にやりと笑う中国政府関係者がいるような気がしてならない。


李 小牧(リー・シャム) プロフィール
1960年8月27日
中国湖南省長沙市生まれ
バレエダンサー、文芸新聞記者、貿易会社などを経て、留学生として来日。東京モード学園に入学する。ファッションを勉強する傍ら、新宿・歌舞伎町に魅了され、「歌舞伎町案内人」として活動。ベストセラーとなった『歌舞伎町案内人』(角川書店)などを上梓し、執筆や講演活動を展開している。マスコミ登場多数。

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