日刊大衆TOP トレンド

交通事故で死なないためのカンタン法則 目からウロコのドライバー心理学講座 vol.01

[週刊大衆01月27日号]

今年も正月から交通事故が頻発している。
1月6日の早朝には、栃木県宇都宮市の東北自動車道下り線を走行していた大型トレーラーにトラックが追突し、さらに後続のトラックが激突するなど計4台が絡む大事故が発生。

運転していた男性2人が死亡した。
「おそらく、見るべきものを見ていなかったドライバーの油断が招いた事故だと思います」と言うのは、交通心理学者で、新潟大学名誉教授の長塚康弘氏。

交通(ドライバー)心理学とは聞き慣れない分野だが、交通事故の多くがドライバーの心理に関係しており、その行動を分析し、事故防止に役立てようとする学問のこと。
「たとえば、人は心理的に曲がろうとする方向だけを見る習性があり、逆に反対方向への注意は怠りがち。それが追突事故に繋がる恐れもあるんです」(前同)

仮に、信号機のない交差点を左に曲がろうとしたとする。
ところが、その瞬間、右方向から直進してきた車に追突されてしまう。
原因は右方向の確認を怠ったことだ。

こういうと、"自分は左右両方向を必ず確認しているから大丈夫"と言う読者もいるだろう。
しかし、そんなドライバー心理には大きな落とし穴が待ち受けている。

長塚氏は著書『交通心理学が教える 事故を起こさない20の方法』(新潟日報事業社刊)で安全確認の徹底を訴えているが、なかには、"よく目視したはずなのに、実際には見落として衝突した"との例もある。

イギリスでは交通事故原因の第3位が、この"見たはず"だという。
信号機のない交差点では、ほかにも、ドライバー心理がこんな事故を引き起こしている。

くるま総合研究会代表の相川潔氏が語る。
「たとえば、自車は直進で、相手の車が交差点の横方向の道を走って来たとします。すると、直進車のドライバーに錯覚が起こり、自分のほうが早く交差点を通過できると判断してしまう。これは相手から見ても同じです。こうして、見通しのよい交差点でも事故が発生してしまう。交差点を目がけてアクセルを踏み込み、より早く行こうとすると大事故に繋がるので、注意が必要です」

目の錯覚は、特に夜に起きやすい。
「夜間、頼りになるのは前を走る車のテールランプ。ところが、道が大きくカーブして先行車のテールランプを見失ったとしましょう。すると、路肩にテールランプを点けたまま停車している車を先行車と勘違いし、赤いランプにつられて突っ込んでしまうケースがある。実際に高速道路を走行中、故障車に追突した事故がよく起きています」(前同)

また、暗い夜道に瞬く明かりも運転者の心理に微妙な影を落とす。
「横断歩道の手前で対向車が来ると、ついヘッドライトに目が反応し、横断歩道上の歩行者の存在に気づかず轢いてしまうケースもあります。これは暗い夜道で明るいものに反応してしまうからでしょう」(同)

取材を進めるなかで、大型トラックのドライバーたちを襲う"怪奇現象"があるとの情報を耳にした。
道路の構造やドライバー心理が関係する"トラップ"があるという。

トラック会社のオーナーで、交通安全事情に詳しい千賀伊博氏がこう語る。
「首都高速湾岸線の東京湾トンネルに入ると、"突然目の前に軽自動車が現れる"という現象がトラッカーの間で話題になっています。葛西(江戸川区)方面からの西行き。トンネルに入った途端、起きるんです」

いきなり車両が目の前に出現するとは、まさに怪奇現象。
その理由はまず、トンネルに入ると急に暗くなり、目の錯覚を起こしやすいこと。

次に、トンネルが入口付近でいったん下り、すぐ上り坂となる構造上の問題がある。
「トンネル内は車線変更禁止ですが、それを無視して大型トラックの前に割り込んでくる車両が原因。トンネルに入ってすぐの下り坂で割り込まれても、相手が小さな軽自動車の場合、見えません。突然の暗闇による目の錯覚と、位置の高い運転席からだと、まったく見えなくなるんです。ところが、上り坂になると、急に地の底から這い出たように軽自動車が視界に現れます。すると、ドライバーは慌てて急ブレーキを踏んでしまい、事故に繫がるんでしょう」(前同)


01月24日公開のvol.02に続く・・・。

この記事が気に入ったら
をしよう

いいね!

@taishujpさんをフォロー

大衆のオススメ


オススメタグ


人気記事ベスト10


日刊大衆公式チャンネル


Copyright(C) 日刊大衆 Futabasha Publishers Ltd. All rights Reserved.