日刊大衆TOP 須田慎一郎

第33回 生保業界のガリバー・日本生命がついにトップの座から陥落

2014-12-02

経済ジャーナリスト 須田慎一郎が徹底予想!

先週28日、生命保険業界に大激震が走った。それというのも、生保業界のガリバー・日本生命の保険料収入を、第一生命のそれが上回ったことが明らかになったためだ。

そもそも生保会社における「保険料収入」とは、一般事業会社の売上高にあたる。日生は戦後一貫して業界のリーディングカンパニーの座を死守してきたが、とうとうその座を第一生命に明け渡すこととなった。

とはいっても、これはあくまでも2014年9月中間連結決算での話。本当の勝負は、2015年3月決算(本決算)の結果を受けてということになる。

「日生はこれまでトコトン日本最大という点にこだわってきた会社。それだけに、今回の1件は日生にとって、まさに大ショックだった」(日生幹部)

こうした状況を受け、ここへ来て日生では、「全社を挙げて、通期でのトップ死守の大号令がかかっている」(前述の日生幹部)のだという。

それにしてもなぜ第一生命は、日生を上回る“売上高”を計上することができたのだろうか。

その最大の理由は、第一生命が銀行の窓口販売を重視したことにある。

これまで生保各社は、営業面では、“生保レディ”に大きく依存してきたといっていい。そうした傾向は、個人向けの営業はいうに及ばず、法人向け営業も同様だった。

そして日生は、他社と比べてもスゴ腕の“生保レディ”を多数抱えており、そのことが長年にわたって日生が業界トップの座を維持できた最大の理由だったといっていいだろう。

ところが第一生命は、“生保レディ”を活用しつつも、その一方で、銀行窓販にも大きな力を入れたのだ。具体的には、利回りを重視した投資型の生保商品を銀行窓販に投入、これが好評を博すこととなった。

とはいっても、ただ単純に高利回りだけを追及する金融商品ではなく、リスクにも目配りした商品だったために、銀行の顧客のニーズに合致することになったのである。

つまり、こうした“商品力”の差が、明暗を分けることになったとっていい。

さて日生は、どのような形で巻き返しを計るのだろうか。今後の日生の動きには要注目だし、生保業界では珍しく株式を公開している第一生命の株価の動きにも期待が持てそうだ。

須田慎一郎(すだ しんいちろう) プロフィール
1961年、東京生まれ
経済ジャーナリスト。日本大学経済学部卒。経済紙の記者を経て、フリー・ジャーナリストに。「夕刊フジ」「週刊ポスト」「週刊新潮」などで執筆活動を続ける傍ら、テレビ朝日「ビートたけしのTVタックル」、読売テレビ「たかじんのそこまで言って委員会」、テレビ大阪「たかじん NO マネー」、ニッポン放送「あさラジ」他、テレビ、ラジオの報道番組等で活躍中。 また、平成19年から24年まで、内閣府、多重債務者対策本部有識者会議委員を務める。政界、官界、財界での豊富な人脈を基に、数々のスクープを連発している。

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