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リングでも政界でも無駄無く立ち回る“馳浩”の巧さ

2014-12-20

プチ鹿島の連載コラム 「すべてのニュースはプロレスである」

衆院選が終わった。

開票が終わると悲喜こもごも。選挙特番を見ながらの野次も飛ぶ。スキャンダルを起こした議員がやすやすと当選すれば「なんであんなに簡単に当選するんだ」「支持基盤がカタいからなぁ」という感想がSNSで飛び交う。

つまり、政治家はすべての人々から認められなくてもいい。極端なことを言えば確実な一部の支持層さえ持っていればよいのだ。

プロレスラーが選挙で担がれるのもそういう理由である。プロレスファンは他のジャンルのファンより思い入れが深いことを「見込まれた」のだ。政界側に。

アントニオ猪木が当選して集票力がすごいと思われるや、たとえば大仁田厚、佐山聡、高田延彦、神取忍、堀田祐美子などなど思いつくままあげてみてもキリがないほど担がれた。

なんでプロレスラーに票が入るの? という世間の疑問はニッポンの選挙の不思議そのままである。そしてうっかり(と言ったら失礼だが)当選したり善戦したりする。

政治とプロレスのそんな前提をおさえておくと、むしろ特殊なのが馳浩だ。先日の選挙で6選を決めた。

大いなる無駄、愛すべき遠回りを人生でも実践しているプロレスラーが多い中、馳浩の人生はちゃんとしている。無駄がない。レスリングで五輪に出て、高校教師になり、そしてプロレスに入ってきた。その合理的で完璧に巧いプロレスは観客を魅了した。平成初頭の新日本プロレスを支えた重用人物である。

馳はあっさり政治家に転向した。言い方はヘンだが政治家らしい道を着々と歩んでいる。猪木ですら漂う「イロモノ議員臭」はそこにはない。

私などは、馳浩はもしかしたら政界進出という野望が最初にあり、逆算してプロレス界に入ってきたのではないか? とすら思うほどだ。

馳センセイが今後どういうふうに出世の階段を昇り、したたかさをチラ見せしてゆくのか。永田町の中枢でどう立ち回るのか。これをチェックしてゆくのも「プロレス観戦」のひとつだと私は思う。


プチ鹿島
PROFILE
1970年5月23日生まれ。お笑い芸人。オフィス北野所属。時事ネタを得意とする芸風で、新聞、雑誌などにコラムを多数寄稿。ラジオ番組「東京ポッド許可局」(TBSラジオ)、「荒川強啓のデイキャッチ」(TBSラジオ)、「キックス」(YBS山梨放送)ほか、TVや映画など多方面で活躍中。





「教養としてのプロレス」(プチ鹿島/双葉社)
2014年8月7日発売 新書判304ページ





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ブログ:http://orenobaka.com/
ツイッター:@pkashima

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