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【武豊】新たな伝説へ。キズナが帰厩しました

[週刊大衆01月26日号]

人生に役立つ勝負師の作法 武豊
新たな伝説へ。キズナが帰厩しました


2013年のダービー馬、キズナが帰ってきました。
「参戦するレースはすべて勝ちたい」という強い気持ちで臨んだ昨年は、「産経大阪杯」で始動。ゴール前、鋭い伸び脚で勝ち上がりましたが、2つ目のビッグタイトルを狙った「天皇賞・春」では、伸び切れず4着。レース直後は、その原因がわからず、僕も頭をひねるしかありませんでした。

サラブレッドの中には、何のアクシデントもないのに、レース中、突然、走る気をなくしてしまう馬がいます。しかし、キズナはそんなレベルの馬ではありません。もう一段あるはずのギアが入らない……これはかなりショックでした。

理由が判明したのは、レース2日後です。左第3手根骨の骨折。全治6か月の診断でした。この時点で、「宝塚記念」も、「凱旋門賞」制覇の夢も、すべて白紙。ケガを治すところからのスタートになってしまったのです。
動揺しなかったと言ったら嘘になります。それでも、みなさんが想像しているほどではありませんでした。

なぜか?

理由は、必ず帰って来ると信じていたからです。あのときから、頭の中では、さらに強くなって戻ってくるというイメージが出来上がっていました。

そのキズナが昨年12月12日、佐々木晶三先生の元に帰ってきたのです。
馬場入りするところを偶然見かけ、思わず駆け寄ったときの僕の足取りは、久しぶりに恋人に逢ったような感覚で(笑)。さすがにスキップはしていませんが、心の中では、弾むようなメロディが流れていました。

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