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イスラム国が「日本を狙う理由」

[週刊大衆02月09日号]

恐怖と武器によって築かれた"国家"。インターネットを経由して広がったその脅威はついに我が国にも及んだ!

「日本の国民よ。日本政府はイスラム国に対する戦いに2億ドルを払うという愚かな選択をした。お前たちは人質の命を救うため、2億ドルを支払う決断をするよう政府に迫る時間が72時間ある。さもなければ、このナイフがお前たちの悪夢となる」
黒覆面の男は英語でそう語り、左右にひざまずく人質をナイフで指した――。

この衝撃的な動画がインターネットで全世界に公開されたのは、1月20日のことだった。公開したのは過激派集団の『イスラム国』。
人質は、シリアで民間軍事会社を立ち上げようとしていた湯川遥菜氏(42)と、国際ジャーナリストの後藤健二氏(47)だ。
「湯川氏は昨年7月、後藤氏は10月に、同じシリアでイスラム国に身柄を拘束されたとみられています」(全国紙外信部記者)

2人の身代金が2億ドル(約236億円)という途方もない額となったのは、
「動画公開の3日前、中東を歴訪していた安倍晋三首相がエジプトで、イスラム国対策に2億ドルを供与することを表明しました。イスラム国がこれと同額の身代金を設定し、動画を公開したことは間違いありません」(前同)
昨年1年間で、シリアでは27人のジャーナリストが誘拐された。国連安全保障理事会の報告書では、イスラム国は1年間で推定41億~53億円の身代金収入を得たと推定され、人質が彼らの戦略の大きな軸であることは間違いない。
しかし、今回の2億ドルはあまりにも巨額すぎる。
「通常の人質事件とは異なり、イスラム国側からの"日本は敵"というメッセージだ、という見方もあります」(外務省関係者)

安倍首相はこの事件を受け、訪問先のエルサレムで記者会見を行い「許し難いテロ行為で、強い憤りを覚える。直ちに解放するよう強く要求する」と述べた。
米国のオバマ大統領も日本時間の21日、議会で行われた一般教書演説で「イスラム国を弱体化させ、最終的に破壊する」ために有志国連合を率いると表明。イスラム国への軍事力行使の正式承認を議会に求めた。
「一般教書演説は、1年の施政方針を述べる最も重要な演説と言われます。そこで"イスラム国を破壊する"と明言したことでも、米国の覚悟がうかがえます。アメリカの同盟国である日本も、有志国連合に含まれるのは当然ですね」(国際ジャーナリスト)

イスラム国は、もともとは"イラクのアルカイダ"として活動していたが、隣国シリアの内戦の混乱に乗じて勢力を拡大。各都市を制圧し、昨年6月、イスラム国家の樹立を宣言した。
「イラク人のアブバクル・バグダディが率い、インターネットを駆使して、世界各国から戦闘員をリクルートしています」(前同)
類を見ない残虐さでも知られ、これまで米国、英国人計5人を斬首、殺害するおぞましい映像をネットで公開している。

その彼らに拘束されながら奇跡的に生還した経験を持つのが、報道カメラマンの横田徹氏(43)だ。
横田氏が内戦状態のシリアに潜入したのは、2013年9月のことだった。
「まだ彼らがイスラム国と名乗る前、ISISという名称で活動していたときのことです。シリア北部のアトメという街に入ったんですが"日本人が来た"という情報を得た彼らから、現地のコーディネーターに連絡があったんです。そいつを連れてこい、と。行ったら帰れないと何度も拒否しましたが、結局彼らの拠点、おそらく警察署だった場所に出頭を命じられました」
そこで、AK47自動小銃で武装した8名の黒覆面の兵士たちに囲まれた。

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