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尖閣上空 防衛識別圏設定 次の一手 中国 日本領 分捕り謀略2014行程表

[週刊大衆01月20日号]

昨年11月23日、中国政府は突如として東シナ海上空に防空識別圏の設定を宣言、日本に衝撃が走った。

防空識別圏とは、領空の周囲に設定される、いわば【緩衝地帯】である。
設置国は、この空域を飛ぶ航空機の針路、機種、目的を確認し、領空侵犯の恐れがある場合は、戦闘機をスクランブル発進させ警告するのが慣例だ。
「防空識別圏の設定と運用自体は珍しいことではありません。ただ、中国のそれは、いわゆる防空識別圏ではありません。識別圏は領空ではないため、航空機の通過は制限されません。その針路が領空を侵犯する可能性が高い場合に警告を発するのが通常です。中国は、空域を飛行する航空機すべてに事前の飛行計画の提出を求めています。これは"領空"といっても過言ではない。特に問題は、日本領である尖閣上空が識別圏に含まれていることです」(軍事ライター・黒鉦英夫氏)

盗っ人猛々しいとはこのこと。
中国は識別圏の設定を昨年7月には決定していたという。
「習近平国家主席は、中央軍事委員会主席就任早々、人民解放軍から識別圏の設定を求められていましたが、見送ってきた。ところが昨年7月に設定の許可を出し、11月の宣言に至ったわけです」(防衛省関係者)

識別圏の設定を習主席にゴリ押ししたのは、空軍ではなく海軍だという。
「これは識別圏設定の真の狙いが、宮古島沖の宮古海峡の支配にあるからです。中国の海洋進出戦略のゴールは、ハワイ以西の西太平洋の支配者になること。その第一段階が、九州の南から沖縄、台湾、フィリピンを経て東南アジアに至る"第1列島線"支配の確立です。そのためには、どうしても宮古海峡を押さえなければなりませんからね」(前出・黒鉦氏)

中国が宣言した識別圏は、宮古海峡の上空を含む。
現代戦は「エアシーバトル」と呼ばれ、海空軍が連携しなければ勝利はない。
「中国版イージス艦と呼ばれる旅洋II型、ステルス設計を取り入れた江凱II型といった新鋭艦に、空母『遼寧』と潜水艦群を揃え、中国海軍の近代化は目覚ましい。ただ、こうした艦隊が十分に戦力を発揮できるには、友軍が制空権を持っていなければなりません。そのために宮古海峡上空を"わが空"にするべく、識別圏を設定したのでしょう」(前同)

着々と進みつつある中国の海洋進出だが、識別圏設定のような実力行使だけではなく、国際社会へのアピールも抜かりはない。
「中国は尖閣を自国領と主張しているので、周辺海域に監視船を出し続けています。そうすることで、国際社会へアピールし、既成事実を積み上げているんです」(前出・防衛省関係者)

中国は、"明確な意思"に基づいて行動しているのだ。
「今年も、尖閣上空への領空侵犯や周辺の監視は継続するでしょう。さらに、第1列島線付近で、海軍が軍事演習を繰り返すはず。今年は琉球(沖縄)支配を目論んだ初期の謀略、すなわち、宣伝戦も仕掛けてくるでしょうね」(黒鉦氏)

膨らみ続ける中国の野心。
あらゆる手で、それを達成しようとしているのだ。

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