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もはや“不治の病”ではない ここまで進んだ「がん治療」最前線リポート vol.2

[週刊大衆09月02日号]

ここ数年、切除手術とほぼ同じ効果を期待できるといわれている放射線治療。乳がんなどでも切除でなく放射線による治療を選ぶ患者が増えている。芸人の間寛平も、前立腺がん治療のため、放射線を照射した。
「体にメスを入れない」というメリットもあるが、「通院回数が多い」「治療の時間に時間がかかる」というデメリットもある。

手術しにくい深部のがんに対しても、陽子線や重粒子線治療などが登場した。
「放射線はパワーが一定なんですが、陽子線は体に入るまでは放射線の影響が小さく、体内のがん細胞のところで急激に線量が上がるんです。重粒子線はさらに強力。正常組織を傷つけることが少ないし、体に優しい治療です。しかし、300万円の自己負担がかかります」(松井氏)

陽子線、重粒子線治療はCTやMRIなどで観察できる病巣に絞って照射するのだが、がんの周囲には顕微鏡でなければ発見できないような、がんの広がりがある。これを放射線で治療すると、正常細胞を損傷する可能性がわずかながらあるのだが、
「近年、最も話題になっているのがホウ素中性子捕捉療法(NCT)です。これは患部にホウ素を付着させ、ここに中性子を当ててがんをやっつけるという方法で、周囲の正常細胞はまったく損傷されません。
こうした高度先進医療は今後、さらに増えていくでしょう」(牧氏)
放射線治療は、がんの痛みなどに対する緩和ケアにも使われるようになり、この面でも期待されている。

新たな療法が定着しているのが化学療法。副作用が少なく、効果が高い新薬が次々に開発されている。
「抗がん剤は有効率が25%といわれ、患者によって薬の効きに違いがあります。
しかし、まず患者の遺伝子を調べ、その人に合った抗ガン剤を使えば、有効率が上がることになります。こうした考えのもとで投与される分子標的薬も使われるようになりました」(前出・阿部医学博士)

分子標的薬とは、がん細胞だけを効率よく攻撃するもので、正常細胞を傷つけることが少ない。
「いま、日本で健康保険の適用となっている薬は3つあり、その中で“セツキシマブ”は、大腸がんの第一選択薬として使えるようになり、注目されています。
セツキシマブは遺伝子によって効果が異なるので、薬を使う前に遺伝子検査を行うんです。これにより無駄な治療が抑えられるようになりました」(松井氏) 

個々の患者によって薬剤が使い分けられる個別化治療は、理想の形と言える。

8月28日公開のvol.3に続く・・・

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