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安倍首相が突き進む「戦争ができる日本」戦慄ビジョン

[週刊大衆02月23日号]

自衛隊出動、憲法9条改正、そして国防軍。怒り心頭の総理が思い描く「美しい国」のトンデモ中身――!!

「日本国民が(世界の)どこにいようとも殺戮をもたらす。(これから)日本の悪夢が始まる」

2月1日午前、世界中の人たちの必死の願いもむなしく、日本人人質の残りの一人――
後藤健二氏(フリージャーナリスト)が、テロリスト集団の非情な刃にかけられてしまった。
「インターネット上に公開されたその動画は、すでに殺害されたと見られる民間軍事会社社長の湯川遥菜氏と同様、凄惨なものでした。同時に、同動画で過激派集団"イスラム国"の処刑人は安倍首相を名指しで、"アベ、勝てもしない戦いに参加するというお前の無謀な決断のせいだ"と、手前勝手な理屈で恫喝しています」(外務省関連スタッフ)

この"無法声明"に、安倍首相は即座に反撃を開始。
「ご家族のご心痛を思えば言葉もない。政府として全力で対応してきた。誠に無念、痛恨の極みだ」
としたあと、一呼吸置き、
「非道、卑劣極まりないテロ行為に強い怒りを覚える。許し難い暴挙を断固非難する」
続けて、
「テロリストたちを絶対に許さない。その罪を償わせる」
と、徹底的に追い詰めると宣戦布告した。

「次いで首相は、これまでイスラム国対策の難民支援とした2億ドルの資金援助を、さらに増額するとの異例の声明まで発しています」(全国紙政治部記者)

テロには屈しない――そう宣言する安倍首相。一歩も引かぬ強い決意を、内外に表明したのだった。

官邸詰め記者が言う。
「この"対イスラム国宣戦布告声明"を発表する30分前、事務方が用意した声明文を前に、首相は自ら"テロリストたちを決して許さない""その罪を償わせる"との強烈な言葉まで書き加えるほどの怒りようでした」

そのさまは「内なる決意を新たにしたように見えた」(同) という。実際これを受け、フランスのフィガロ紙は、「伝統的に平和主義を貫いてきた(日本)列島にとって試練となる。憲法の平和主義の伝統と決別する新たな一歩となる」と報じ、米紙ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズも、日本の有事突入の可能性を指摘しているのだ。

前出の外務省関連スタッフがこう言う。
「これまで日本は、中東紛争に距離を置く姿勢を取ってきました。それゆえ、イスラム過激派などの攻撃対象になることは、ほとんどありませんでした」
それが一転――激憤した安倍首相は日本を「戦争ができる国」にすべく、舵を切り始めたというのだ。

政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。
「首相は決して口にはしませんが、米国から独立して、自前の軍隊を組織したいとの思いが強くあります」

軍事ライターの古是三春氏も、こう指摘する。
「今回、イスラム国を空爆しているのは、アメリカ、フランスなどの有志連合。一方、日本は自国民が殺害されたにもかかわらず、国連主導ではない有志連合の空爆には参加できない。こうしたジレンマを一番強く感じているのは、安倍首相自身でしょう」

事実、安倍首相も、〈憲法改正によって自衛隊を「国防軍」と位置付ける〉〈自分の国を守るために戦わない国民のために、替わりに戦ってくれる国は世界中どこにもありません〉(『文藝春秋』13年1月号)
と、憲法改正、ひいては「国防軍の創設」を高らかに謳っている。

自民党番記者が言う。
「昨年末の時点で、官邸は後藤さん、湯川さんがイスラム国に拘束されていたことを確認していた。そのうえで、昨月、エジプト・カイロにて、中東各国へ"イスラム国対策費"として2億ドルの支援を宣言し、これが決め手となって邦人2人の殺害予告につながったという経緯があります。だが、日本国民の危機意識を発動させ、国防軍の待望論を呼び込むため、官邸はわざとイスラム国を刺激したのでは……との指摘も多数、聞こえてきます」まさか、そんなはずはなかろうが、安倍首相の動きは早かった。

まず着手したのが、自衛隊改革。殺戮集団イスラム国との交渉中であった1月29日、衆院予算委員会で安倍首相は、「自衛隊の持てる能力を生かし、救出できるようにするのは国の責任」と答弁。
自衛隊が海外で邦人救出へと出動できるよう、安全保障関連法案の成立をイの一番に目指すことを明言したのだ。

「これは、第2次安倍内閣発足(2012年12月)以来、首相が取り組んできた最重要課題の一つでした。それを、今回の人質事件を機に、一気に前に進める腹づもりなんでしょう」(防衛省関連スタッフ)

それは、安倍政権下で、深く静かに進行していた。
まず、安倍第2次内閣発足直後の13年1月に発生したアルジェリア人質事件。
「これを受け、安倍首相は緊急時に、在外邦人の"陸上輸送"を可能とするよう自衛隊法の改正に踏み切りました」(前同)

それまで自衛隊に許されていたのは、航空機と船舶による輸送のみ。車両を使うことはできなかったが、内陸部へ自衛隊部隊が直接、救援に行けるようにした。
「同時に、自衛隊員が戦車を破壊できるほどの威力を持つ"無反動砲"を携行できるよう、閣議決定しました」(防衛族議員)

車、そして武器。自衛隊が戦地へ赴き、陸上戦闘を担うことを想定した"自衛隊改革"だ。
なおも安倍首相の勢いは止まらない。続く14年7月の「集団的自衛権の行使を認めた閣議決定」には、恐るべき事実が書かれている。
米国からの要請があれば、〈「武器の使用」を自衛隊が行うことができるよう、法整備をすることとする〉とされているのだ。

「その集団的自衛権も、"他国と同様の行使は困難"と言い、あくまで限定的なものだと安倍首相は言っていましたが、雲行きが怪しくなっていますよ」
と言うのは、全国紙政治部デスク。
「"限定"と言うのは、永田町の誰もが"極東の一部"という意味だと理解していました。それが、2月2日の参院予算委員会で、首相は"地理的要因は考えていない。近くなら当てはまる、ということではない"と言葉巧みに言っていますが、つまりは"活動に地理的制限はない。地球上どこでも派遣しうる"ということです」

世界中、陸海空のどこでも、武器を使って戦闘参加――という未来はすぐそこまで来ている。

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