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シンプルに生きる『人間力』前田幸治(会社経営者)

[週刊大衆03月02日号]

シンプルに生きる『人間力』前田幸治(会社経営者)

「思い通りにならないことも起こる。だけど、くよくよしない。明日にも持ち越さない。今日のことは今日で終わらせる」

キズナ、ワンアンドオンリーと日本ダービー馬を2年連続で輩出することができましたが、牧場経営をはじめてから30年、9回の落胆と1回の喜びの毎日でした。

その30年で学んだ競馬の魅力、馬づくりの醍醐味、オーナーブリーダーとしての考えなどを紹介するため、本を出すことにしたんです。真似されてもいいと思い、企業秘密も全部書きました。少しでも日本競馬界のレベルアップにつながるのなら、喜ばしいことですからね。
ここまで続けてこられたのは、すべてスタッフのおかげです。時間もお金もかけて、信頼できるスタッフを育て、そして、任せる。トップは、あれこれと細かいことを言う必要はないですよ。

人生はすべて、シンプル・イズ・ベスト。服装や車、ライフスタイルにしたって、会社経営にしたって、何でもシンプルなのが一番いいと思っています。
社長室には馬の写真を一枚も置いていません。牧場の事務所に飾っているだけで、自宅にもありません。競馬は私の趣味であって、人様にみせびらかすものでないと思っていますから。これは本業と競馬を混同しないという、私のルールです。

教養を身につけることは大事だと思っています。私はあらゆる週刊誌を毎週読んでいます。それに話題の小説やノンフィクションなどジャンルを問わず月に数十冊読むことも。その中に、何かのヒントになることがあるかもしれませんから。
新聞も日経をはじめ、五大紙を全紙、それにスポーツ新聞もすべて読みます。スポーツ紙は競馬欄が中心ですが、それらを毎日読む。これが日課ですし、そうすることで、知識や教養を身につけるんです。

私が教養と同じく大切にしているのは、感性を磨くことです。些細な変化にも気づく感性は、ビジネスにも活かせる。変化に気づき、それはどうしてだろう、と疑問を持つこと、好奇心や探究心を持つことも、とても大切だと思います。

感性や好奇心があったから、30年前、日本一美しい牧場を作ろうと思ったんです。オーナーブリーダーとして、ゼロから始めたわけですから、知らないことばかりでしたけど、毎日が勉強と思って、とにかくやり続けてきました。成功するまでやり続ける、これが失敗しない秘策です。
それと成功のためには、トップがブレないこと。目指す方向を明確に示し、そして、率先して真面目に取り組む。スタッフ全員でより良い方法を模索し、一歩ずつ進む。そうやって馬づくりを実践してきました。ただ、牧場を始めるとき、父親は不確定要素が高いと猛反対しました。既に経営者として多くの社員を抱えていましたから、その責任を考えたのでしょう。

私は言わば船長です。船長が航路を間違えたり、無謀な操船をしたら沈没してしまいます。ですが、馬の趣味を持っているからこそ、本業のビジネスも頑張れると考えたんです。今は、半分趣味、半分ビジネスというスタンスで牧場を経営しています。生き物のことですから、思い通りにならないことも起こる。だけど、くよくよしない。明日にも持ち越さない。今日のことは今日で終わらせる。たとえ腹が立っても、その時だけで忘れます。

私の特技は、3秒で眠れること。いつでもどこでも、好きな時に、どんな場所でも。オンとオフを切り替えるのが得意なんです。どうにもならない過去のことをあれこれ考えてもしょうがないでしょう。人生の基本は、シンプル・イズ・ベストなんです。

撮影/弦巻 勝


前田幸治 まえだ・こうじ

1949年、奈良県生まれ。19歳で起業し、「無我夢中でしたので苦労を苦労とも思いませんでした。面白かった」と語る。現在は、アイテック株式会社代表取締役。34歳で馬主となり、天皇賞・秋を制したヘヴンリーロマンスなど数々の名馬を送り出す。JRA現役登録馬160頭以上を有し、GⅠ通算26勝の成績を収める。日本競馬界屈指のオーナーブリーダーとして注目される。

シンプルに生きる『人間力』前田幸治(会社経営者)

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