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点鼻薬の使いすぎでかえって鼻炎になる

「病院の処方薬はこんなに危ない!」と警鐘を鳴らすのは近藤誠がん研究所 所長の近藤誠氏だ。その他の専門家の意見を加えつつ、現代の医療のありかたに疑問を投げかける書籍『ダマされないための完全お薬ガイド2015』から、一部を抜粋してお届けする。

花粉症や風邪で鼻がつまったとき、気軽に点鼻薬を使っていませんか。
実はある種の点鼻薬を使いすぎると、逆に鼻炎になることもあるので注意が必要です。

そもそも、なぜ鼻がつまってしまうのでしょうか。
私たちの鼻のなかには、「鼻甲介(びこうかい)」という骨の出っ張りがあります。鼻甲介は粘膜で覆われ、吸い込まれた空気が肺に入る前にフィルターとして働き、空気に湿り気を与えて鼻のなかを湿った状態に保つ、温度調節をするなど、さまざまな機能を果たしています。鼻がつまるのは、鼻水が大量に出るからではなく、鼻甲介が腫れることが原因です。風邪などのウイルス感染や、花粉症などのアレルギー反応によって鼻甲介の粘膜の下にある細胞が炎症を起こしてしまうからです。

この鼻甲介の炎症を鎮め、鼻のとおりをよくするために使う薬が点鼻薬です。
点鼻薬は以下の3つに大別できます。

(1)血管を収縮させ鼻の粘膜を鎮静化させる点鼻薬(血管収縮性点鼻薬)

(2)副腎皮質ホルモン(副腎皮質ステロイド)の入った抗アレルギー点鼻薬

(3)副腎皮質ホルモン(副腎皮質ステロイド)や血管収縮性薬剤の入っていない抗アレルギー

点鼻薬使いすぎが問題となっているのは、(1)血管を収縮させ鼻の粘膜を鎮静化させる点鼻薬(血管収縮性点鼻薬)です。血管収縮剤の代表的な成分には、塩酸(硝酸)ナファゾリン、塩酸トラマジリン、塩酸(硝酸)テトラヒドロゾリン(テトリゾリン)、塩酸フェニレフリン、塩酸(硝酸)オキシメタゾンなどがあります。病院で処方する薬と異なり、市販の点鼻薬のほとんどに血管収縮剤が含まれています。

血管収縮性点鼻薬は、血管収縮剤が血管の壁を通る自律神経を刺激して、血管を収縮させるため、すぐに鼻水が止まります。しかし数時間たって薬の効き目が切れると、鼻粘膜は元の状態に戻ります。たとえば風邪による鼻づまりの場合、点鼻薬の効果が切れたときに風邪がなおっていれば、粘膜は健康な状態に戻りますが、風邪がなおっていなければ、粘膜は腫れた状態に戻り、また鼻がつまってしまうというわけです。

鼻がつまって苦しいとき、血管収縮性点鼻薬の即効性はありがたいのですが、長期間使い続けたり短期間でも頻繁に使ったりすると、血管を「収縮」させる薬に対して血管が逆に「拡張」するようになり、鼻粘膜が腫れやすくなってしまいます。するとだんだん薬が効いている時間が短くなり、効果も弱まるようになります。こうなるともっと点鼻薬を使い、さらに鼻づまりを悪化させるという悪循環に陥ってしまい、これを「点鼻薬性鼻炎」と呼んでいます。花粉症や風邪のシーズンを過ぎても鼻づまりを訴えて耳鼻科を訪れる人のなかには、「点鼻薬性鼻炎」の患者が多く見られます。


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『病院の処方薬はこんなに危ない! ダマされないための完全お薬ガイド2015』(EDGE編集部/双葉社)

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