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[金本知憲]危険球を受けながらも相手投手を気遣う そのタフさと優しさが世界記録を生んだ

[増刊大衆04月28日号]

感涙の発掘エピソード「だからオレたちは応援するんだ!」プロ野球「男気伝説」 4

溢れる闘争心 広島阪神 金本知憲 1968~

08年5月7日、東京ドーム。巨人・木佐貫洋投手が投げた時速140㎞超の速球は、打者・金本知憲の後頭部に向かった。ボールはヘルメットを直撃、金本はもんどり打って倒れたまま動かない。球場に広がる異常な静寂。金本はベンチに運ばれ、木佐貫は主審から危険球の警告を受け退場。

5分後、平然とした金本がベンチ裏から姿を表すと、観客席から、うなりのような歓声が起こった。次打席、粉々に砕けたヘルメットの代わりに、同僚のヘルメットを着け、打席に立った金本は鋭くバットを一閃。門倉健投手から弾丸ライナーのホームランを放つ。その瞬間、"鉄人"の肉体的精神的な強さに、ファンは改めて驚愕した。

さらに、人々が唸ったのは、このあとの金本の行動。試合後、都内の病院でMRI検査を受けた金本は、検査が終わると、すぐに担当記者の携帯を鳴らして次のように伝えた。
「言い忘れたことがある。"木佐貫が投げた球は、故意でも威嚇でもない"。俺は大丈夫。なんともないから。このコメントを必ず新聞に載せてほしい」
この危急時に、なんと金本は、相手投手の精神的打撃も気遣っていたのだ。

「木佐貫は、精神的に弱いところがあるので、この事件がきっかけでガタガタになってしまう危険性があった。金本は、そうした投手の気持ちを熟知しているがゆえに、彼のことを案じて、わざわざコメントを出したんです」(阪神担当記者)

広島から移籍してきたにもかかわらず、金本は阪神の選手やファンから"アニキ"と慕われてきた。
場合によっては、"ミスタータイガース"の称号が、金本に冠されるケースさえあった。生え抜きにのみ許されてきたはずの称号に、違和感を感じないファンが、それだけ多かったということかもしれない。

金本がここまで敬慕されてきた秘密の一端が、死球事件で見せたケタ外れの闘争心と、その裏に垣間見えた優しさにあることは間違いない。また、こんな鉄人だからこそ、連続フルイニング1492試合出場、連続1万3686イニング出場という2つの世界記録を残すことができたのだろう。

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