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新車の4割超が…なぜ「軽自動車」がここまで人気なのか?

今年4月1日に日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が発表した2014年度の新車販売台数は、前年度比6.9%減の529万7110台となった。
4年ぶりのマイナスになったのは、消費増税にともなう駆け込み需要の反動減が長引いたためと見られているが、しかしそんななかにあって目を引くのは軽自動車の新車販売台数。217万3130台で過去最高だった前年度に次ぐ2番目の高水準となり、新車販売に占める軽自動車の比率は41.0%と初めて4割を超える結果となったのだ。

そんな絶好調の軽自動車のなかでもとくに人気なのは、広々とした空間と低燃費が特徴のダイハツの「タント」、室内の広さと運転席の幅広感で知られるホンダの「N-BOX」、トールワゴンタイプでトップクラスの低燃費を実現したスズキ「ワゴンR」、アラウンドビューモニターを軽で初めて搭載した日産「デイズ」といったところ。広い室内空間を実現したモデルに人気が集中しているようだ。
軽自動車の利点は、やはりなんといっても驚異的な燃費の良さと税金面などを含めた価格の安さにある。しかし軽自動車の販売が好調な理由は、それだけではない。

ランキングのとおり、“ワゴンRショック”ともいえる「トールワゴンパッケージ」の登場により、軽自動車が広々とした室内空間を手に入れたことが大きい。以前大きな車に乗っていた層でも、問題なく乗り換えられるレベルの軽自動車が、いまや当たり前となっている。

そして、もうひとつがクルマに対する価値観の変化。「高額な車を乗りこなすことこそがステータス」という価値観が一昔前のものになり、逆に「でかいクルマを持って維持費でヒイヒイいってるのはダサイ」という人たちが増えているということ。大きな車から小さな車へと乗り換えるダウンサイジング化は、いまや逆らい難い流れになっているのだ。

さらに見逃せないのが、「小さくて経済的で、しかも人と違うクルマが欲しい」という欲求だ。80~90年代までは、普通車の廉価版というイメージの強かった軽自動車だったが、550ccから660ccへの排気量アップ、それにともなう衝突安全性の向上、さらにはエンジン自体のパワーアップによって、ファーストカーとして十分通用する性能を手に入れた。そこに個性派SUVである、スズキ・ハスラーや本格ミドシップスポーツカー、ホンダ・S660などの魅力的な「人と違う」モデルが出てくれば、これは売れないわけがない。

とはいえ、今後も軽自動車が安定して売れるかと言うと、決してそうとは言いきれない。一番の理由はこの4月販売の新車から、軽自動車税が年間7200円から1万800円へと引き上げられたこと(まぁそれでも排気量1リットル以下の普通車の年間2万9500円という税金に比べれば、ずいぶん安いとも言えるが……)。

各メーカーは軽自動車の上がった分の維持費を補う魅力をどう打ち出していくのか。ニッポンの職人技は、制限され、抑圧された状況でこそ光ってくる。

全長や排気量が制限された軽自動車、おそらくトンでもなく魅力的なモデルが今後も出続けることだろう。

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