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夏に履くのに「雪」? 雪駄の語源は意外と粋だった

夏に履くのに「雪」? 雪駄の語源は意外と粋だった

夏祭りで見かける、いなせな法被(はっぴ)や浴衣姿の足元に、欠かせないのが「雪駄(せった)」だ。「雪駄」とは、竹皮の草履(ぞうり)の裏に獣皮を貼った履物で、現在はライト底(硬化ゴム系)などもある。

いつ頃、なんのために作られたのかは諸説あり、室町時代の末期に千利休が水を打った露地で履くために考案したという説。また、公家が奥方の足元が冷たいだろうと、草履の上に竹の皮を編んだものを貼ったものが起源だという説などもあるが、どれも俗説らしい。

では、涼し気な履物なのに、なぜ「雪」という字が入っているのだろうか? これは、雨や雪の湿気が足裏に伝わらないよう、席(むしろ)で編まれ、底に獣革が貼ってある「席駄(せきだ)」が履かれるようになり、これが「せちだ」「せっだ」「せった」と音変化するともに、「雪」という字が当てられたという説が現在では有力なようだ。また、江戸時代の正保2年(1645年)に刊行された詩歌の用語解説書「毛吹草(けふきぐさ)」には、『摂津国(現在の大阪府北西部と兵庫県南東部)で、セチベン(けちくさい)者が竹皮の草履を用いたことから、セチダと呼び、これに風流な人が「雪駄」の字を当てた』と書かれている。どちらにしても、粋な字の当てられ方の結果だったようだ。

「雪駄」は江戸時代の元禄(1688〜1704年)になると、裏の革が減るのを防ぐために、尻鉄(しりがね)を打ち付けるようになり、歩くとチャラチャラ音をたて、これがお洒落な江戸っ子の間で流行した。また、表に熊などの毛皮をつけた「毛雪駄(けせきだ)」、吉原遊びのときに履く「吉原雪駄」、浅葱色の組み糸の鼻緒をすげた「丹前雪駄」と種類が増え、大名の奥方や御殿女中の間では、表に光沢のある紋織物の緞子(どんす)の布地を使った「乗物雪駄」、僧侶や医師の間では表が黒塗り皮の「カピタン雪駄」が履かれるようになり、幅広く世の人々に普及していった。

ちなみに、江戸時代と違って、現在はアスファルトの道なので、すぐに底が減ってしまうのだが、お気に入りの雪駄を長く履きたいなら、和装履物店で修理をお願いすれば、1000円くらいで直してもらえるらしい。

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