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あなたの「物忘れ」は大丈夫か!? 「5年後の認知症発生確率」チェックリスト vol.01

[週刊大衆01月20日号]

昨年6月の厚労省の発表によると、日本の認知症高齢者は約462万人――。
「さらに、『軽度認知障害(MCI)』の患者が、約400万人いるとされています。MCIとは、記憶力や判断力など、認知機能の低下は見られるものの、まだ日常生活には支障ない、いわば認知症予備軍です。放っておくと5年後には、MCI患者の5~7割が認知症を発症するとのデータもあります」(医療ジャーナリスト)

予備軍を含めると、高齢者の実に4人に1人というわけで、これはもう国民的疾病と言っても過言ではないだろう。

ここで、下村労働衛生コンサルタント事務所(東京都品川区)所長で、産業医の下村洋一氏から読者の皆さんへの質問。

「最近、残業時間が増えていませんか?」

残業が増えることくらい誰にでもありそうだが、実は、ここに認知症の可能性が秘められていると下村医師は言う。
「仕事量が増えているならともかく、同じような仕事内容なのに残業時間が増えるのは、上司の指示がよく理解できなかったり、仕事の内容を忘れて、効率が落ちているのかもしれませんよ」

さらに、「65歳以下の患者が約3万8000人と極端に少ないため、認知症は老人の病気だと思われがちですが、65歳以下の患者の平均発症年齢を見ると、約51歳と非常に若いんです」(前出・医療ジャーナリスト)

要するに、40代半ばを過ぎれば、誰でも認知症になる可能性があるというわけだ。
あなたもあなたの家族も、5年後にはどうなっているかわからない……。

ここで、認知症について簡単な説明をしておこう。
まず、認知症のうち約3割を占めるのが「脳血管性障害型」。

東京慈恵会医科大学(東京都港区)脳神経外科の谷諭教授が解説する。
「これは、脳の血管が詰まったり狭くなって血流が悪くなるなどして、脳細胞に障害が起こることによって発症します」

一方、認知症のうち、いちばん多いのが、全体の6割を占める「アルツハイマー型」の患者だ。
このアルツハイマー型は、新しい情報を記憶として定着させる働きをする、側頭葉の「海馬」という部位がダメージを受けるのが特徴だという。
「知り合いの顔は浮かぶが、名前が出てこない……という体験は、誰にでもあると思います。しかし、これは単なる"物忘れ"で心配はいりません。これに対し、アルツハイマーになると、知人の存在自体をスッポリ忘れるので、"名前が出てこない"と悩むことすらありません。また、初期段階では昔のことは比較的覚えていて、最近のことを忘れるのも典型的特徴です」(前出・下村医師)

恐ろしいことに、アルツハイマー型にかかる原因はまだよくわかっていないうえに、根本的な治療法も発見されていない。
言い換えれば、アルツハイマー型は予防することしかできないのが現状だ。

しかし、MCIの高齢者が予防法を実践したところ、5年後に約4割が正常な認知機能を取り戻したとのデータもあるという。

さて、最初の脳血管性障害型の予防法はあるのだろうか。
「それには、脳卒中のリスクを高めるメタボ(高血圧、肥満、糖尿病)対策が有効です」(前出・谷教授)

肥満になると体内の中性脂肪が増え、血液のスムーズな流れを阻害するので、酸素や栄養が脳に行き渡らなくなるのと無関係ではない。
「アルツハイマー型は、老化や加齢が最大の危険因子です。老化もメタボを引き起こしますから、両方の型の予防法は共通する部分が多いと思います」(前同)

メタボを食い止めるには、有酸素運動が有効だ。
谷教授によると、さほど激しい運動は必要ないと言う。
「週2~3回、20~30分のウォーキングで結構です。私の場合、できるだけタクシーに乗らず、病院ではエレベーターでなく、階段を利用するように心がけています」(同)

また谷教授は、血液や体重、血圧などを定期的にチェックすることで、メタボにならないように意識していると言う。

さて、適度な運動とともに心がけたいのが、質のよい食生活だ。
「地中海地方の住民は、認知症患者が少ないのです。オリーブオイルで和えた野菜や魚をよく食べているのがいいと考えられます」(同)

一方、アメリカ人は認知症患者が多いという。
「肉中心の食生活が悪いようです。日本人の患者は米国ほど多くありませんが、ハワイに移住した日本人は発症率が高くなるとのデータがあります。民族の遺伝的な差が原因なら発症率は上がりませんから、肉食中心の生活になったためと推測されます」(同)

01月14日公開のvol.02に続く・・・。

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