日刊大衆TOP 芸能

プロレスラー兼社長・高木三四郎「プロレスは勇気や活力、元気を与えるもの」~エンタメに徹する人間力

[週刊大衆09月07日号]

プロレスラー兼社長・高木三四郎「プロレスは勇気や活力、元気を与えるもの」~エンタメに徹する人間力

「出るんですよ、やっぱりリングに」

今はプロレス団体2つの経営を見ています。もともとやってきたDDTに加えて、5月からWー1のCEO(最高経営責任者)になって、単純に2倍の忙しさですね。頭の切り替えが大変です。DDT、Wー1と両方のカラーがありますから。

DDTでいろんなことをやってきましたが、やっぱり半分は当たって半分は外してますよ。失敗は振り返らないようにしてますが『かくし芸プロレス』は失敗しましたね。スベりにスベりました。

例年1月3日に『マッスル』というわりとお客さんが入ってた興行をやってたんだけど、諸事情でできなくなってしまって。代わりに何かやろうと思ったときに、僕の発想だと1月3日はかくし芸だったんです。
それで「よし、かくし芸プロレスだ」って。僕は、堺正章さんがやってたコップを並べたテーブルクロス引き、あれをけっこう練習してやりました。他にもいろいろ考えたんですけどウケなくて……結局、かくし芸プロレスは1回で終わりましたね。いやもう、あれはひどかった。

でも、昨年の映画『プロレスキャノンボール2014』は、幸い好評をいただきました。映画を作るのは夢だったんですが、実際作ってみると、映画ってまた違う収益を生むんだな、って思いましたね。プロレスは生もので、音楽のように同じ演目をやるわけにいかない。毎回一発勝負で、当たることもあれば外すこともあるんです。でも、平均で最低80点から90点くらいまで持って行かなくちゃいけないんで、毎興行大変なんですよね。

その点、映画は1回撮っちゃえば、その後はずっと回るじゃないですか。
当たればですけど、こんないいビジネスねえなぁ、と思って。びっくりしましたね、ほんと。いろんな発想は、テレビのバラエティ番組とかから来るものも多いです。それも最近のじゃなくて頭の中でストックしてあった昔のもの。
『ひょうきん族』とか『とんねるずの皆さんのおかげでした』とか、当時ウケてたものをやってみたり。

お笑いの中でもベタなものって、プロレスにうまく取り入れられたりするので。「タライが上から」なんてドリフの典型的なギャグですけど、後楽園ホールの2階のバルコニーからタライ頭に落として、お客さんはもうドッカン来てますよね。

エンターテイメントって、人間にとって絶対必要なものだと思います。プロレスも、勇気や活力、元気を与えるものだと僕は思うんですね。プロレスの一番良いところって、負けた人間でも光れるところがあるというところだと思います。

宮武俊ってレスラーがウチにいるんですけど、諸事情で一家が離散して、自分が有名になることでもう一回家族のヨリを戻したいっていう気持ちを持ってるんですね。で、その宮武が本当にバカキャラなんです。
新人で入ってきたときに坊主にしてきたんですけど、僕、坊主大っ嫌いなんですよ。新人が全員坊主って、個性ないじゃないですか、正直。だから宮武に「お前なんで坊主にしたの? 坊主にしたらクビだよ」って言ったら「いや、すいません。明日までに生やしてきます」って返事して。それがすごい面白くて、あ、こいつ合格だなって思って。

最近は、新人っていう発想もなくなってきました。元々プロレスは強い弱いを競うものだと僕は思っていて、それは年数じゃない。高校生だって強いやつは強いわけです。
キャリアは関係ないです。だから、優れた人材はどんどん上げていかなくちゃいけないし、今いる人も後ろから来る人に負けないようにアイディアを出していくからこそ、競争していいものが生まれていく。そういう環境を作らないと。
DDTでは新人ベテラン関係なく、いいアイディアを思いついた人間が、面白いと思ったものを率先してやってますね。そこで煮詰まったり、面白いものを生み出せない空間になると、それだけでエンターテイメントといわれるジャンルはダメだな、と僕は思うんで。お客さんを沸かせた者が一番だと思うし。

「いろんなことやれ」と言ってますね。若い連中には、とにかく色んな仕事をしろと。それが人生経験として生きるから。リングは人生の縮図だと思ってるんで、出るんですよ、やっぱりリングに。破天荒なやつとか多少の影を負いながらも前向きにやっていこう、みたいなやつらのほうが試合は面白いですもんね。

生き方が面白くないやつは、プロレスも面白くないですよね。

撮影/弦巻 勝


高木三四郎 たかぎ・さんしろう

1970年1月13日、大阪府出身。学生時代からイベントを手がけ、94年にプロレスの世界に入る。97年、DDTプロレスリングの旗揚げに参加。以降、圧倒的な存在感と発想力で同団体を牽引する。路上プロレス、DDT48総選挙、映画『プロレスキャノンボール』など従来のプロレスの枠を超える企画が支持され、DDTを最も勢いのある団体に押し上げる。15年5月から武藤敬司がエースだった団体W-1のCEOに就任。DDTでは大社長、W-1では大CEOとして両団体の責任者として活躍する。8月23日に両国国技館でのビックイベントを控える。

プロレスラー兼社長・高木三四郎「プロレスは勇気や活力、元気を与えるもの」~エンタメに徹する人間力

この記事が気に入ったら
をしよう

いいね!

@taishujpさんをフォロー

大衆のオススメ


オススメタグ


人気記事ベスト10


日刊大衆公式チャンネル


Copyright(C) 日刊大衆 Futabasha Publishers Ltd. All rights Reserved.