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敏腕"演説ライター"引退で「政策不毛」を露呈した民主党

[週刊大衆08月20・27日合併号]

「オレがオレが」のタイプが多い永田町の政治家の中では異色。もともと地味なタイプだから、あまり知られていないが、政界の玄人筋には、つとに知られる民主党の松井孝治参院議員(52=当選2回)。その彼が、来年の参院選を待たずして「不出馬」を表明した。

本人は「最初から2期限りと決めていた」というが、額面どおりに受け取る人はいない。「民主党に、ほとほと愛想を尽かした」(野党関係者)と、もっぱらだ。

玄人筋が認める松井さんは、とにかくクレバー。

「総理の演説原稿を作るスピーチライターとしての能力は秀逸です。自民党政権時代に若手通産官僚として官邸スタッフになり、橋本龍太郎首相の講演原稿を書いてましたからね。その橋本行革は、官僚の抵抗で頓挫しましたが、そのとき発案した"官邸主導""公の再構築"というキャッチは好評。松井さんは国会議員になると、鳩山首相のスピーチライターも任され、"政治主導""新しい公共"という言葉で、所信表明演説に引き継がれた。その後も、菅首相の演説にも関わっていて、その主張も一貫していたんです」(民主党幹部)

だが、そんな方針も民主党政権が霞が関官僚に取り込まれる過程で骨抜き。加えて、「野田首相周辺のヤッカミで、松井さんは政権中枢から外された」(前同)のだという。野田さんのスピーチが「ドジョウ」だの「シロアリ」だの、あまり上等ではない例え話のオンパレードなのは、ご存じのとおり。つまり、民主党には体系だった政策をまとめ上げ、首相の演説に反映させる議員がいなくなったのだ。

そういえば、民主党を脱党し、「国民の生活が第一」を立ち上げた小沢一郎さんにもスピーチライターがいない。新党結成から基本政策の発表まで3週間もかかったのは、そのせいだ。

「かつては、小沢さんには藤井裕久さんをはじめ、多くのブレーンがいたが、いまでは小粒議員ばかり。細かい政策を立てられる人材がいないんです」(事情通)

かくして、まともな政策論争もないまま、不毛な権力闘争で政治が動く。こりゃ、ずっと迷走だ。

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