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【武豊】競走馬にも〝顔の善し悪し〞がある!?

[週刊大衆09月28日・10月05日号]

人生に役立つ勝負師の作法 武豊
競走馬にも"顔の善し悪し"がある!?


そこに人が100人いれば、100の個性があり、100個の顔かたちがあるように、サラブレッドも一頭一頭、性格も違えば、毛色や顔かたちも違います。
僕も一度、乗せていただいたことがある音無厩舎のブチコは、左目にアイラインが入っていて、レンズを向けられると立ち止まって左側を向くなど、サービス精神が旺盛な女の子。ちょっとした仕草やかわいい顔はアイドル並みで、直接聞いてみたことがないのでわかりませんが、おそらく自分でもそれを十分に意識しているんじゃないかと思います(笑)。

地位が人を作る――それと同じで、最初はボサーッとしていて、どこにも特徴がないなと感じていた馬も、ひとつ勝つごとに逞しさを増し、GⅠに出走するようになると、牡馬なら面構えが良くなり、牝馬はどんどん美しくなっていきます。

その反対に、最初からイケメンと呼ばれる馬もいて。
"流星の貴公子"テンポイント。"王子様"と呼ばれたトウカイテイオー。彼らは、デビュー時からその美しさが話題になっていました。金色のたてがみをなびかせて走るトウショウファルコは、誘導馬になってもファンレターが届くほどの人気馬だったそうです。

サラブレッドの場合、速さや強さと顔の善し悪しは比例しないので、僕ら騎手にとってはどうでもいいものですが、ファンの方の心理を考えると、やはり顔も含めて、いいにこしたことはないのかもしれませんね。

僕自身、これまでたくさんの馬に乗せていただいてきましたが、その一頭一頭についてすべてを覚えているわけではありません。中には、"えーと"と、記憶の回路を必死に探り、それでも、ぼんやりとしか思い出せないときもあります。

そんなときでも、瞬間的にぱっと顔が思い浮かぶのは、牝馬の場合は、かわいい顔をした馬、可憐な雰囲気を持った馬、思わず見とれてしまうほど姿形が綺麗な馬です。

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