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歌手・グッチ裕三「自分が思う“自分”なんてあてにならない」~ウケに徹する人間力

[週刊大衆11月30日号]

歌手・グッチ裕三「自分が思う“自分”なんてあてにならない」~ウケに徹する人間力

「自分が思う自分なんてあてにならない」
長いこと芸能界で仕事しているとつくづく思うのは、自分が思っている自分じゃなくて、人が思っている自分が重要だってことですね。
私は歌が上手いから絶対に歌手になれるって思っても、上手いかどうかは人が決めること。スターの人に、“どうしてスターになれたんですか?”って聞くと、ほとんどの人が“気が付いたら”って言いますよ。自分が見ている自分なんて非常に小さいものなんです。でも、プロデューサーなんかは、人を見るプロですから、そういう立場の人たちが、“おまえ、格好いいし、演技うまいから主役だよ”って言って、それが世の中に受け入れられて、スターが生まれるわけですよ。
僕自身、その見出してくれる人がいたから、今がある。テレビの仕事を多くもらうようになったきっかけでもある『ものまね王座決定戦』のときは、マネージャーから話を聞かされて、“ものまねなんて冗談じゃねーっすよ”って言っていたんですから。でも、気乗りしないまま出たら、優勝しちゃった。その後、“ものまねっていいっすね”ってマネージャーに言っちゃっていましたよ。
あと、子ども向けの番組『ハッチポッチステーション』のときも、当時、ディナーショーとかの仕事が多かったので、“大人向きにチューンナップしてんだから、勘弁してくれ”なんて思っていたら、結局、上手くいっちゃった。“今の時代は子どもですよね”なんて言っちゃって。
やっぱり、人にウケるって喜びは何ものにも代えがたい。ものすごくウケたステージの後って、疲れがないんですよ。全部飛んじゃう。お客さんがウワーって盛り上がったエネルギーがもらえるのかな。僕なんか、体調が良くなるからね。次の日、元気があまりすぎて、困っちゃうくらい早起きしちゃいますよ。
そのウケるっていうことが、一番大切だって考えられるかどうかだと思うんです。元々は僕だって、コミックバンドや、ものまねではなくて、本気のソウルバンドとして、勝負したかった。当時は、米軍のベースキャンプなんかに呼ばれて、演奏していたけど、すごい人気になっちゃって、本場の米国でも通用すると思って、海を渡ったんです。そしたら、あまりのレベルの違いに絶望しましたね。自分たちのやっていることは、ただの猿真似だったんだなって。3オクターブで音域広いって言われていたけど、あいつらは5オクターブ出すんですよ。
向こうのステージで黒人バンドの次が出番だったんですけど、出て行ったら、マイクスタンドが、もう背伸びしても届かないところにある。“こんなことならロンドンブーツはいてくればよかった”って思いたかったけど、その時、はいていたんだから。
それで、日本帰って来て、もうどうでもいいやってなったときに、考えついたのが、コミックバンドだったんです。当時は、バンドマンとしてだけではなくて、六本木界隈で、酒飲んでは暴れ回って有名になっていたんです。飲み屋でいろいろとバカなことをやって、メンバーのウガンダが、ふすまが閉まっているのに、気がつかなくて、それをぶち破っちゃったり。お店には、大変な迷惑をかけたけど、周りからはすごいウケてた。それで、このフザケをステージでもやろうってなったんです。
それがあって、今の自分がいるわけですから、自分が思う自分なんてあてにならないし、これからも人にウケていたい。ただ、僕自身は“こんなことやりたい”って企画持ち込んだりはするんですよ。大概却下されますけど。それで、頭にきてると、ろくでもない話がきて、渋々それを引き受けると、当たるんです。だから誰か、また見出してくれないかなって、首を長くして待っていますよ。
撮影/弦巻 勝
グッチ裕三 ぐっち・ゆうぞお
1952年2月27日、東京都生まれ。A型。78年に、コミックバンド『ビジーフォー』を結成し、六本木で絶大な人気を獲得。『ものまね王座決定戦』で優勝するなど、ものまねブームの立役者となる。その後、『THE夜もヒッパレ』『ハッチポッチステーション』などの長寿テレビ番組のMCとして長年活躍し、98年には料理番組『グッチ裕三のこれは旨い!』で料理愛好家としても活躍。現在も全世代対応型タレントとして、精力的に活動中。

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