日刊大衆TOP コラム

[プチ鹿島]天龍源一郎引退から二週間、未だ革命は続いている

11月15日の『天龍源一郎引退 革命終焉』両国国技館。あの日から間もなく二週間が経つけどまだ余韻に浸っている方も多いだろう。私もそのひとり。
あの日の試合についてはいろいろ語られている。ここでは、私はあの日のお客さんの多様さについてあらためて振り返りたいんです。
昭和も平成も、どちらもトップレスラーであった天龍の引退試合には各世代、各層のファンが集結した。9月2日の天龍プロジェクト最後の後楽園ホール大会は「ああ、昭和の頃からずっと見ているファンが多いのだろうなぁ」と思うほどのお客さんの濃さだったが、両国はコア層にプラスして若いファンも多くいた。素晴らしい風景。
久しぶりにプロレス会場に来たと思われる人たちもいた。私の席の後ろの男性二人組は「天龍、辛そうに歩いていないか? 腰が悪いのかな」とささやきあっていた。最近の天龍のコンディションを知らないのだろう。でも引退と聞いて久しぶりに駆けつけたのだろう。
そうかと思えば、私の前列には40〜50代と思える女性が4人並んで座っていた。いったいどういうプロレスファン歴を持つ人たちなのか? 天龍と一緒に年齢を重ねてきたお姉さま方なのだろうか。私はもう興味津々。
お姉さま方の各試合の反応を見ていると興味深いことがわかった。あれだけ館内が盛り上がった越中詩郎、北原光輝らベテランレスラーより、石井智宏、オカダカズチカに好反応。嬉しそう。
ああ、もしかして最近プロレスを好きになってくれた人たちだろうか。いわゆる「プ女子」だったんだ、いいことだと私は思っていた。
ところが。
天龍の引退セレモニーになったときだ。ゲストのテリー・ファンクのテーマ『スピニングトーホールド』が館内に鳴り響いた瞬間、お姉さま方が全員イスから飛び上がらんばかりに、全身をくねらせてノリノリ状態になったのだ!
ああ、そうえいえば人気絶頂だった頃のテリーにはチアガールがいて常に「黄色い声援」に包まれていた。あのときの女子にちがいない! 時空を超えて天龍の引退を見届けにきてくれたのだ。テリーも来場するというので足を運んでくれたのだろう。「元祖プ女子」のお姉さま方だったのである。いい風景だった。
ということは、お姉さま方は石井やオカダに興味津々だったけど、元祖プ女子にも彼らのファイトは「届いた」のだろう。もしかしたら今後も会場に来るかもしれない。天龍革命のなによりの証拠だ。革命は続いているのである。
いろんな時代のファンを集めて引退大会をやった天龍はやっぱりすごかった。
2週間経った今でもうっとりしています。


プチ鹿島
PROFILE
1970年5月23日生まれ。お笑い芸人。オフィス北野所属。時事ネタを得意とする芸風で、新聞、雑誌などにコラムを多数寄稿。ラジオ番組「東京ポッド許可局」(TBSラジオ)、「荒川強啓のデイキャッチ」(TBSラジオ)、「キックス」(YBS山梨放送)ほか、TVや映画など多方面で活躍中。


「教養としてのプロレス」(プチ鹿島/双葉社)
2014年8月7日発売 新書判304ページ





今もっとも注目すべき文系芸人・プチ鹿島氏による初の新書が双葉社より発売! 「どの週刊誌よりも売れていた」という90年代黄金期の週刊プロレスや、伝説の編集者・井上義啓氏の週刊ファイトなどの“活字プロレス”を存分に浴びた著者による、“プロレス脳”を開花させるための超実践的思想書。 「半信半疑力を鍛える」「グレーゾーンを許容する」「差別に自覚的になる」等々、著者が30年以上に及ぶプロレス観戦から学びとった人生を歩むための“教養”を、余すところなく披瀝。すべての自己啓発本やビジネス書は、本書を前に、マットに沈むこと必死!

プチ鹿島氏のコラムが読める雑誌「EX大衆」は毎月15日発売!


ブログ:http://orenobaka.com/
ツイッター:@pkashima

[プチ鹿島]天龍源一郎引退から二週間、未だ革命は続いている

この記事が気に入ったら
をしよう

いいね!

@taishujpさんをフォロー

大衆のオススメ


オススメタグ


人気記事ベスト10


日刊大衆公式チャンネル


Copyright(C) 日刊大衆 Futabasha Publishers Ltd. All rights Reserved.