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「尖閣挑発行動」が加速させた中国「ヤブヘビ内部崩壊」カウントダウン vol.1

東シナ海に浮かぶ5島3岩礁からなる尖閣諸島を舞台に、日本と中国の両国が激しい火花を散らしているのは、ご存じのとおり。
「香港の活動家らが"抗議漁船"に乗り、尖閣諸島に上陸したのが8月15日。沖縄県警が、上陸した7人を含む計14人を、出入国管理法違反で逮捕しました。彼らが帰国した17日以降、中国各地で反日デモの火の手があがりました」(全国紙中国駐在記者)

さらに8月19日、日本人一行10人が、尖閣諸島の魚釣島(中国名・釣魚島)に上陸したことで、反日デモはさらに激しさを増した。
「数千人規模の人々が練り歩いた深圳を筆頭に、成都など20カ所以上で大規模なデモが起きました。ただ、ここにきて中国政府側は沈静化に動いている。胡錦濤国家主席の出身母体・共産主義青年団の機関紙・中国青年報は、"中国は釣魚島問題において無鉄砲な行動に出るべきではない"という識者の寄稿記事を掲載しました」(在北京の日本人ジャーナリスト)

一方、日本政府は、尖閣諸島5島のうち、防衛省が借り上げている久場島と国有の大正島を除く魚釣島、北小島、南小島の3島を、20億5000万円で購入することで地権者と合意。中国側を刺激する漁港の整備などはせず、まずは尖閣諸島の国有化方針についてのみ、決断に踏み切った。

一連の尖閣騒動は、火種を残しつつも、"解決先送り"の方向で沈静化へと向かい始めたわけだ。とはいえ、そこはメンツの国・中国。日本に対して振り上げた拳をいつ下ろすか、タイミングを探っているという。
「中国で反日感情が高まる9月18日の"満州事変勃発の日"には、デモが全土に広がる可能性もある。しかし、中国政府にとっては、国内情勢の安定化が政権運営上、なにより重要。容認しているとはいえ、反日デモも度が過ぎれば、怒りの矛先が自分たちに向かってくる危険性を十分、理解しています」(前同)

元産経新聞の記者で、長期にわたる中国駐在経験を持つジャーナリストの福島香織氏がいう。
「中国における反日デモは、ある程度、当局にコントロールされた"官製デモ"です。デモ隊が進むルートを決め、武装警察を配置し、想定外の暴発を防いでいます。政府にしても、デモを完全に封じ込めて不満を貯め込むより、小出しでガス抜きをしたほうがいいという計算が働いています」

日本で中国情報専門紙『チャイニーズドラゴン』を発行する孔健・編集主幹は、デモの本質をこう見る。
「ただ、"ヤラセ"とわかっていても不満の捌け口のない若い世代にとって、"群衆の一員となって暴れられる"反日デモは格好のイベントです。なにしろ、"反日"さえ掲げれば、"愛国無罪"で当局の取締りはないも同然ですからね」

その背景には、中国経済の停滞により、若年層を直撃する就職難もあるという。
「いま、卒業した大学生の7割が就職できず、若い世代を中心に、中国国内の不満は爆発寸前にまで高まっています。それが反日デモという形になって表われているんです」(前同)

その指摘どおり、中国国民の"怒りのターゲット"は為政者たる政府当局に他ならない。特に、官僚腐敗に対する憤りは凄まじい。
「腐敗を防止するため、近年、新設された中国国家預防腐敗局の調査では、11年に摘発された官僚は14万人を超え、日本円で1000億円を超える経済的損失があったといわれます。昨年7月、死者40人を出した中国の新幹線事故では、鉄道に巣食う汚職官僚の実態が明らかに。鉄道部長以下鉄道部高官18人が芋づる式に逮捕、失脚しました」(前出・中国駐在記者)

そのうちの一人は28億元(約400億円)をくすねていたとか……。
「一事が万事で、中国の共産党官僚と関連企業の癒着は凄まじいばかりです。その多くが、家族も関連企業の役人を兼任し、中国の全土で共産党幹部の一族郎党に注文が流れ込む"錬金システム"が完成しています」(前出・孔健氏)

こうしたニュースには、格差社会で苦しむ国民が敏感に反応。中国で急速に普及した中国版ツイッターなどを通じて一気に拡大し、怒りの炎が全土で燃え盛る状況が生まれている。

これまでは、驚異的な経済成長に伴う生活水準の向上により、国民の様々な不満を、なんとか抑え込んできた。だが、ここにきて、肝心の経済に急ブレーキがかかっているのだ。
「ギリシャ問題に端を発したユーロ危機により、世界経済が大きな打撃を受けたわけですが、当然、中国にもその影響が出ています。これまでGDP(国民総生産)10%台の成長を誇っていたのが、今年4~6月期には伸び率が7・6%にも低下。これには、日銀の西村清彦副総裁も"中国は危険領域に入りつつある"と、異例の警鐘を発したほどです」(経済評論家)

中国事情に詳しいジャーナリストの富坂聰氏がいう。
「中国経済はかなり深刻です。国内格差の拡大も広がっており、深刻度も増しています。現在、中国経済はバブルの崩壊のように劇的な展開ではなく、ズルズルと悪い方向に向かいながらも、それを修正することもできずにいる状態です」

世界の工場・中国の象徴でもある深圳市で中小企業の倒産が相次ぎ、廃墟と化した"空き工場"が急増。さらに、海外からの中国進出企業の撤退も顕著になってきている。

09月18日公開のvol.2に続く・・・。

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