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第三次世界大戦勃発リスクも!? サウジVSイラン「中東緊迫」の行方

[週刊大衆2016年02月01日号]

第三次世界大戦勃発リスクも!? サウジVSイラン「中東緊迫」の行方

 中東の緊迫が、異常なまでに高まっている。1月2日、サウジアラビアが国内のイスラム教シーア派の有力な宗教指導者ニムル氏を含む47人の死刑執行を発表したところ、同派を国教とするイラン国内で市民が反発。サウジアラビア領事館を襲撃したのだ。この暴挙を静観したイラン政府に激怒したサウジアラビアは3日、イランとの国交を断絶。すると、その直後、イランがサウジアラビアから空爆を受けたと発表。両国の間には武力衝突“一歩手前”の緊張感が張りつめているのだ。

 中東といえば、常に火種を抱えている印象だが、「今回はワケが違います。イスラム教には古くより強く対立する2大宗派、スンニ派とシーア派があり、サウジはスンニ派の盟主、イランはシーア派の盟主という性格を持っている。そのため、スンニ派の周辺国までもイランと国交を断絶するなど、宗派のメンツをかけた激突が危惧されます」(在中東記者)

 巨大勢力の盟主同士が直接ぶつかる、さながら“中東版関ヶ原合戦”の様相を呈すが、影響は世界規模だ。中露にそれぞれ1000万人、米英にはそれぞれ300万人近い信者がいて、世界に12億人いるとされるイスラム教徒。その90%以上が2大宗派に属しているといわれる他、中東は世界最大の産油地域という利権まで絡む。そのため、元外務省主任分析官の佐藤優氏が1月5日付の産経新聞で、<第三次世界大戦に発展する危険性さえある>と警鐘を鳴らすほどなのだ。

 今回の緊迫には二つの要因がある。一つはアメリカの中東からの撤退方針だ。「もともと強い関係性のサウジとアメリカでしたが、最近のオバマ大統領は“世界の警察”の座を放棄。中東からも撤退を模索して影響力は低下。サウジらスンニ派諸国にとっては頼りにならない」(外信部デスク)

 もう一つの要因が、プーチン大統領率いるロシアの中東での影響力の増大だ。「ロシアは、イランやシリアなどシーア派の国と伝統的に仲が良く、一部スンニ派で構成されるISへの空爆を苛烈に仕掛けている。しかも、スンニ派のトルコとは軍用機撃墜問題を巡って対立中と中東情勢に大きく関与しています」(前同) しかも、今回の問題以前から、「サウジはアメリカを見限って、ロシアとのパイプ構築を進めていた」(同)。

 実際、サウジはニムル氏の死刑執行を、オバマ大統領からの中止要請を無視して強行している。「中東問題がこのまま燻るだけですむのか、それとも世界を巻き込む戦争に発展するかは、一気に中東の“キーマン”となったプーチン大統領の意向が大きく反映されるはずです」(同) 突如持ち上がった、世界大戦勃発の危惧。その行方は、プーチンのみぞ知るのかもしれない。

第三次世界大戦勃発リスクも!? サウジVSイラン「中東緊迫」の行方

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