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恩師 駒大苫小牧高校元監督 香田誉士史氏が明かした「マー君世界一投手」白球秘話 vol.1

[週刊大衆11月4日号]

開幕から無傷の24連勝という前人未踏の成績で、東北楽天ゴールデンイーグルスを、パ・リーグ優勝に導いた田中将大投手(24)。
無敗のままのリーグ最多勝はプロ野球史上初。昨年から続く連勝記録を28に伸ばし、投手三冠に輝いた田中は、いまや日本一、いや世界一の投手と言っていいだろう。
そんな野球人・田中の育ての親であり、成長の軌跡を誰よりもよく知る人物が、駒大苫小牧高校野球部の監督だった香田誉士史氏。恩師が語るマー君の知られざる素顔と本当の"凄さ"とは!?

「プロの世界で開幕から24連勝というのは、とてつもない数字ですよね。プロ1年目の将大のことを思うと、正直言って、ここまで凄い投手になるとは思っていませんでした。高校野球のエースだ、といってもプロで活躍するのは、そう簡単じゃないですから。それが、プロで7シーズン投げて、6シーズンで2ケタ勝っている。これにはただ脱帽です。彼がプロでこれだけ活躍できたのは、まず体の強さがあったからでしょう。ケガをしないし、ケガに強い。いくら技術があっても、体が強くないと選手として大成はできない。一流になれるかどうかの境目はそんなところにもあると思います。将大が2年前に右の大胸筋を断裂したときは、僕も心配したんですが、本人は"大したことないです"と。実際、きっちり治しましたからね」

昨年は10勝に終わったが、今年は24勝無敗。
恩師の目から見て、田中は何が変わったのだろうか。

「一つには、投球術ではないでしょうか。自分がわかってきたというか、たとえばストレートにしても、彼より速い球を投げるピッチャーはいくらでもいますよ。それなら、なにも直球の速さにこだわる必要はない。こだわりがなくなることで、無理のない投げ方ができる。かえってストレートのキレがよくなったり、威力が増したりするものなんです。今季の将大は完投にこだわらず、途中までしっかり投げて、中継ぎ、抑えに繋げばいいというふうに見える。それだけ投手陣を信頼してるんでしょう。プロでバリバリやってる人間にこう言うのはおこがましいですが、技術的なことでいうと、今年の将大はシュート系のツーシームが非常に効果的に見えました。右打者の内角に食い込むツーシームを投げることで、もともと持っていた外角に逃げるスライダーが活き、ピッチングに幅が生まれた。打者が捉えたつもりの球が、わずかにバットの芯から外れ、凡打になっていました」

兵庫県伊丹市出身の田中が、小学生時代の軟式野球チームで坂本勇人(巨人)とバッテリーを組んでいたのは有名な話(坂本が投手、田中が捕手)。中学進学後「宝塚ボーイズ」で硬式野球を始めた田中は、捕手兼投手として活躍し、高校はあえて駒大苫小牧高に進学。同校野球部監督だった香田氏と出会うことになる。

「将大が小・中学生のときに捕手をしていたことは、ピッチングにも大きく影響していると思います。捕手の頭で配球を考えることができるし、野手だった経験から打者の心理も理解できる。それが投手としてプラスに働いていることは間違いないでしょうね。野球部員は全員、寮生活なんですが、将大は伊丹から来ていることもあって、1年生のときは(社会科の教師でもある)僕が担任をやったんです。いろいろ心細いだろうと思ってね。でも、全然、心配いらなかった。凄くしっかりしてるんですよ、彼は。1年生のときは学級委員もやっていたし、ほかの先生に聞いても授業中に居眠りするようなことはなかったです。やんちゃに見える?いや、やんちゃではないですね。根性はあるし、芯の強い子だけど、いわゆる、やんちゃをして周りを困らせたことは一度もない。基本的に真面目だし、大人です。イキがってユニフォームのズボンを腰履きしている部員がいると"お前、ちゃんと穿けよ!"とビシッと言える人間なんです。一見、ふてぶてしく見えるかもしれませんが、仲間うちでは冗談で笑わせたり、"愛されキャラ"ですよ」

香田監督率いる駒大苫小牧高は、04、05年と夏の甲子園を連覇。05年夏の優勝時は田中が2年生ながら主戦級投手となり、秋の国体、秋の神宮大会も制覇。史上初の高校三冠を達成した。
06年夏は、斎藤佑樹を擁する早実と決勝戦再試合まで死闘を尽くすも、3-4で惜敗。涙を飲んだ。

「高校時代からランナーは出しても点をやらないピッチングができていた。ピンチになっても顔色ひとつ変えず"大丈夫です。抑えます"と言って抑えてしまう。まさに有言実行です。いまもそうですが、ここぞの場面で四球はまず出さない。あの精神力は本当に大したものだと思います。将大が2年生のときに夏の甲子園を連覇した。国体でも神宮大会でも勝って、マスコミをはじめ、周囲は大騒ぎになった。そんななか、僕はあえてエースの将大を主将に指名したんです。たかだか高校の部活なのに、『駒大苫小牧』がひとつのブランドに祭り上げられてしまったような違和感があって……。このままではチームがおかしくなる、それを救えるのは将大の精神力しかないだろうと。将大にも散々言いましたが、僕はよく生徒に"調子に乗るな"と釘を刺した。"調子に乗ったら成長はそこで止まってしまう"と。将大はわかっていましたが、やっぱり騒がれると勘違いする子もいますから」

10月29日公開のvol.2に続く・・・。

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