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野村克也×二宮清純 プロ野球ぶった斬り対談 「頂上決戦は楽天VS巨人」で決まり! vol.2

[週刊大衆10月7日号]

二宮:スペンサーについては、いかがでしたか?

野村:いま、ピッチャーはグラブの中にボールを隠しますよね。
しかし、昔はボールの握りが丸見えの状態で投げていた。
でも、あまりにも阪急戦に限って打たれるものだから"これは、おかしい"と思って調べたら、スペンサーがすべてピッチャーのクセで配球を見破っていた。
そりゃ、打たれるわけですよ。

二宮:代打ホームランの世界記録(27本)を持つ高井保弘さんが言っていました。
スペンサーはピッチャーの手首の筋まで見ていたと。

野村:なにしろ、それまでは「気合いだ!」「根性だ!」という野球ですからね。
南海時代、鶴岡一人監督のミーティングなんて、1行もメモするところがなかった(苦笑)。

二宮:鶴岡さんと言えば「グラウンドにはゼニが落ちとる」という名言があります。

野村:まぁ、典型的な精神野球。
こっちが打てなくて悩んでいると、「ぶつかって行け!」ですから(苦笑)。

二宮:三冠王を獲った野村さんにも悩みはあったんですか。

野村:プロ入り4年目に初めてホームラン30本を打ち、打率も3割台(3割2厘)に乗せた。
それがいけなかった。
夜遊びを覚えて2年ほど成績がガクンと落ちました。
なぜ打てないのか……。
ロッカールームで悩んでいたら、先輩の岡本伊三美さんが、僕にこう声をかけてくれた。
「野村、ぶん殴ったほうは忘れても、ぶん殴られたほうは忘れないぞ!」。
このひと言で目が覚めました。

二宮:要するに打たれたピッチャーは悔しい思いをしている。
やられたらやり返しにくるぞ、と。

野村:そうなんです。これは胸にズシンときましたよ。
それまでは自分の視点でしかピッチャーを見ていなかった。
相手の視点からも自分を見てみようと。
それで、いまで言うスコアラーの尾張久次さんに頼んで、僕に投げてくるピッチャーの配球やコースを全部調べてもらった。
すると、おもしろいことに気がついた。
たとえば2ボールナッシングだと、100%、僕に対してはインコースにボールがこない。
それがきっかけになって、カウント別に何を投げてくるか、相手ピッチャーの分析をすべてやった。
監督になってミーティングでよく使った「カウントは12種類ある」という話も、実はそのときに発見したんです。

二宮:その集大成が"野村ID野球"だったわけですが、ヤクルトの宮本慎也が今季限りで引退を発表したことで、主だった野村門下生は北海道日本ハムの稲葉篤紀くらいになってしまいました。

野村:宮本は記者会見前に、わざわざ僕の自宅にまで挨拶に来てくれました。

二宮:ユニフォームを脱ぐにあたり、どんなアドバイスを?

野村:いや、特にしていませんよ。
ただ、新聞の評論では"講演を積極的にやってみろ"と書きましたけどね。
経験上、講演をやると、自分の考えをまとめることができる。
頭を整理しないと1時間も1時間半も一人でしゃべれませんから。

10月2日公開のvol.3に続く・・・。

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