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「医療費詐欺の深い闇」タレント女医逮捕は氷山の一角?

[週刊大衆2016年04月04日号]

「医療費詐欺の深い闇」タレント女医逮捕は氷山の一角?

 “美人女医”としてタレント活動も行っていた医師の脇坂英理子容疑者(37)が3月9日、警視庁に逮捕された。「“Ricoにゃん先生”と名乗り、“年収5000万円でも貯金ゼロ”“経験人数は600人”と破天荒キャラを売りにしていた彼女ですが、経営していた美容クリニックはとても儲かっているようには見えず、近所でも“何か怪しい商売をして稼いでるんじゃない?”と有名でした」(週刊誌記者)

 脇坂容疑者が手を染めた“商売”――それは患者の診療回数や治療内容を“水増し”して行政に請求し、実際以上の診療報酬を受け取るという、医療保険制度を悪用した詐欺行為だった。「胃痛や腰痛など、もはや美容と関係ないデッチ上げで患者が長期通院しているように装っていました。それでこれまでに7000万円近くをせしめていたのだから大したものというか、審査がザルすぎるというか……」(全国紙社会部記者)

 とはいえ、これは極端なケースだが、なにも特別な犯罪というわけではない。程度の差こそあれ、我々が普段かかるような街の医院でも、こうした不正受給が横行しているというのだ。「不正請求として厚生労働省が医療機関に返還を求めた診療報酬は、2013年度で約146億円にのぼるんです。前年から約15億円も増えていますが、これでも氷山の一角でしょう」(医療専門誌記者)

 治療の内容を大げさに申請したり、必要もないのに何度も通院させて薬を過剰に処方するなどの“水増し”が主流だが、中にはもっと悪質な手口も。「生活保護の受給者を囲い込んでグルになっている医院の間を“紹介状”でたらい回しにしたり、あっせん業者からニセ患者を派遣してもらう……といった、もはや組織犯罪のようなケースもあるんですよ」(前同)

 そして、ついには裏社会の住人までもが、このカラクリを参考にし始めた。「診療報酬の不正受給は最近、反社会的組織の重要な資金源の一つになっているんです。昨年も反社会的組織のトップが、接骨院や歯科医院など首都圏の複数の医院と共謀して行ったとして逮捕されました。脇坂容疑者も、このネットワークの一端だったといわれています」(前同)

 診療報酬の原資は、我々が払う健康保険料。もっと厳しく運用できないのか? 「政府も診療報酬の改定を進めていますが、日本医師会の反対が根強く抜本的な改革にまでは至らない。また、健康保険も企業加入のものや非勤労者の国民健康保険など種別によって審査機関と基準が違い、お役所同様“縦割り”なので一元化・透明化するのは至難の業です」(前出の社会部記者) まじめに診療している医師や命がかかっている患者にはハタ迷惑な話だが、医療費は“5兆円市場”ともいわれる巨大利権だけに、まだまだ闇が深そうだ。

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