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習近平は負ける!中国「尖閣大不況」ズダボロ実情 vol.1

[週刊大衆11月19日号]

それは、凄まじいばかりの"反日の嵐"だった。
「きっかけは9月11日、日本政府による尖閣諸島国有化宣言でした。これ以降、中国各地で過激反日デモが横行。"愛国無罪"の錦の御旗のもと、日系企業の焼き打ちや中国在住の日本人への暴行と、ありとあらゆる暴挙が行なわれました」(外務省関係者)

なかでも、中国が「国辱の日」とする9月18日(1931年のこの日、奉天=現・瀋陽=郊外の柳条湖で、関東軍が南満州鉄道の線路を爆破した。満州事変のきっかけとなった)を前にした同月16日にデモが暴動化。「反日」を隠れ蓑に、経済発展の恩恵に与れない人々の不満が爆発したのだ。
「この時期は、デモを利用した中国当局からの"攻撃"もエスカレートする一方でした。たとえば、日本の輸出入の通関検査強化、日本企業が落札した受注案件の相次ぐキャンセル。はたまた、日本人との面会禁止、日本への旅行の大量キャンセルなど、次々と蛮行を行なってきました。その背後には、次期国家主席就任が確実な対日強硬派の習近平氏の存在が囁かれました」(前同)

こうした一連の動きは、"経済制裁をすれば、音をあげて尖閣問題で擦り寄ってくるはず"と判断した中国政府の嫌がらせ以外の何ものでもなかった。だが、"尖閣デモ"が一気に終息したいま、その報いがブーメランのごとく中国に襲いかかっている。

中国事情に精通する評論家の宮崎正弘氏がいう。
「現在、日本企業は中国に2万5000社ほどの工場を持ち、約1000万人の中国人を雇用しています。在中国の日本企業、たとえばトヨタでは尖閣騒動以降、2割の減産を実施。ほかの日本企業も同じように減産の憂き目に。結果、中国人労働者1000万人の2割、200万人が首を切られかねない状況にあります」

反日デモが、回りまわって中国人労働者の首を絞め始めた、というのだ。
「2年前の9月、日本の海上保安庁巡視船に衝突した中国漁船の船長が逮捕されたことを契機に始まった、レアアースの"対日輸出禁止"騒動と、今回の構図はまったく同じです」(全国紙北京特派員)

このレアアース、当時の日本は9割を中国からの輸入に頼っており、突然の禁輸に日本の産業界はパニックに陥った。
「中国の理不尽さを目の当たりにした日本は、調達先をほかの国に分散する一方、中国からの輸入を第三国経由で日本に運び込むルートに置き換えました。これで日本制裁を目論んでいた中国側の意図は、あえなく破綻。その結果、約300社あった中国のレアアース会社は現在4分の1に減少し、輸出量も激減しています」(前同)

今回の中国の"尖閣大不況"は、数値となっても表われている。

10月18日に中国の国家統計局が発表した12年第3四半期(7~9月)の国内総生産(GDP)が、昨年同期比7・4%増だった。
「胡錦濤政権は"保八"(GDP成長率8%を保持)をスローガンとし、その死守を目標としてきました。7・4%という数字だけ聞けば悪くない気もしますが、8%台の成長率が維持できなくなれば、経済は鈍化、さらに不況が深刻化する危険性があります」(同)

実は中国では、成長率が1%下がると500万人が失業するといわれる。それだけに"保八"なる言葉が声高に叫ばれ、成長率の維持に血眼になるわけだが、デモが与えた経済への打撃は大きかった。

中国在住の日本人ジャーナリスト、北嶋隆氏が、尖閣大不況の一例を挙げる。
「私が知る蘇州の日本料理店は、9月中旬のデモで店を破壊されて以来、ずっと閉めています。日本人の店主は4人の中国人従業員を雇っていたのに、営業できないため泣く泣く全員解雇。これでは、反日デモで同じ中国人を苦しめたようなものです」

また、グローバル化が進み、日中間にさまざまな結びつきが生まれている現在、中国企業は予想外のダメージを被っている。

中国の格安航空会社・春秋航空は、上海-佐賀・高松間の「1円チケット」という企画を立てて話題になったが、日中関係の悪化により、今年10月に同チケットの発売中止を余儀なくされた。
「釣魚島問題の影響は非常に大きいです。日本とは上海-茨城、上海-高松、上海-佐賀の3路線を持っていますが、デモ以降の搭乗率は50%程度で、日本人、中国人旅客ともに昨年に比べて3割以上減少しました。金額についてはわかりませんが、被害甚大です。上海-茨城便はいままで週6便の運行でしたが、今後、若干の間引きを行ないます。10月~12月の3カ月間は毎月約3便減らすことになります」(春秋航空スポークスマン・張武安氏)

デモ勃発前は両国間を活発に行き来していたビジネスマンや観光客が、一気に激減した様子が窺える。

中国国内の旅行代理店に直接問い合わせてみても、「日本人観光客は、昨年の20%程度です。うちの会社は日本の旅行代理店から日本人ツアー客の案内を請け負っているんですが、9月中旬のデモが起きた直後から、キャンセルが相次ぎました」(中国青年旅遊社の日本担当スタッフ)

「日本に行く中国人客は、昨年から3分の1ぐらいに減りました」(錦江国際旅遊有限公司のスタッフ)という状況だ。

11月16日公開のvol.2に続く・・・。

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