日刊大衆TOP 社会

永田町謀略録「政治家の殺し方」 第1回 田中角栄(元首相) vol.2

[週刊大衆11月19日号]

これは米ロッキード社がジェット旅客機を全日空に売り込むため、ロッキード社の裏の代理人といわれた大物右翼の児玉誉士夫にコンサルティング料として21億円余を支払い、そのうち5億円が丸紅などを通じて田中に渡されたという事件だ。

この事件の発端は米議会の多国籍企業小委員会(チャーチ委員会)が、「ロッキード社が日本、イタリア、トルコ、フランスなど世界各国の航空会社に自社の飛行機を売り込むため、各国政府関係者に巨額の賄賂をばらまいていた」との事実を公表したことだった。

しかし、この公表段階から怪しさがつきまとっていた。というのも、本来、別のところへ届けられるはずだった内部資料が、誤って小委員会に送られてきたという。ロッキード社にとって、絶対に隠しておきたい書類が誤配されるなどということがあり得るのか?

また、捜査段階では、「アメリカと利害が一致した」(ベテラン記者)三木武夫政権下の政府の全面協力もあり、当時の東京地検特捜部の主任検事・吉永祐介氏は、「あんなにやりやすい事件はなかった」と述懐したという。まさに"仕組まれた"といっても過言ではないわけだ。

一審で有罪判決、二審で控訴は棄却され、上告したものの、最高裁判決が出る前の93年12月、75歳で世を去った。

反田中派の青嵐会に参加していた渡辺美智雄元副総理は、ロッキード事件を振り返り、次のように断言していたという。
「あれは国際謀略だ。田中さんの日中国交正常化を危険と見たアメリカの保守派が、やはり米中和解に動いたニクソン(当時の米大統領)とともに葬ったんだよ」

対米追随路線の中曽根康弘元首相ですら、自著『天地有情』で次のように記述している。
「田中君は、国産原油、日の丸原油を採るといってメジャーを刺激したんですね。そして彼はヨーロッパに行ったときに北海油田からも日本に入れるとか、ソ連のムルマンスクの天然ガスをどうするとか、そういう石油取引外交をやった。それがアメリカの琴線にふれたのではないかと思います」

他方、ロッキード社のコーチャン副会長らに対する嘱託尋問では、本人が日本の法律に違反していても、罪に問わない「司法取引」が成立。日本の法律では、この制度が規定されておらず、異例のことだった。

11月17日公開のvol.3に続く・・・。

この記事が気に入ったら
をしよう

いいね!

@taishujpさんをフォロー

大衆のオススメ


オススメタグ


人気記事ベスト10


日刊大衆公式チャンネル


Copyright(C) 日刊大衆 Futabasha Publishers Ltd. All rights Reserved.