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永田町謀略録「政治家の殺し方」 第1回 田中角栄(元首相) vol.3

[週刊大衆11月19日号]

また、田中がアメリカを怒らせたという理由の一つに、信じがたいことだが、"核問題"が囁かれてもいる。
「角さんは独自に核開発をやろうとして、それがアメリカの逆鱗に触れたわけです。原子力の燃料であるウランを、オーストラリアやカナダから輸入しようとしたことで狙われたと思います」こう話すのは政治評論家の板垣英憲氏である。

そして、氏は、田中と「理化学研究所」との接点を指摘する。

同研究所は17年、渋沢栄一ら財界人のバックアップで創設された、日本初の自然科学の総合研究所である。ここの3代目所長が、造兵学者で東京帝大教授だった大河内正敏。実は新潟の田舎町から上京した田中が最初に訪ねたのが、大河内の邸宅だったのだ。彼がまだ15歳の頃の話である。

そのときに会うことはできなかったものの、それが縁で田中は同研究所に出入りするようになっていく。当時、大河内の研究室では、食塩のニガリでマグネシウムを作る開発や、ロータリーキルンによる銑鉱還元の研究などを進め、資源の少ない日本の弱点を補う研究開発を行なっていた。
「もちろん、10代の若い角さんが、そこで物凄い研究をやっていたことは知る由もなかったでしょう。でも、頻繁に通ううちに、これからのエネルギーは、石油や天然ガスだけではなく、原子力だと直感が湧いたんだと思います」(前同)

頭脳明晰だった田中が、ここで何かを感じ取っていたとしても不思議ではない。
「かつて、ここで田中角栄が試験管を洗っていた」同研究所の跡地近くでは、いまでもこんな伝説が残っている。

名物宰相・田中角栄。彼は、本当にアメリカに嵌められたのか?
「私どもの家に来た際は、決して政治の話はしませんでした。母に会うというよりも、我々兄弟の顔を眺めて、激務を癒していた印象が強いですね」
こう振り返るのは、本妻とは別に、神楽坂(東京)の芸者だった辻和子さんとの間に生まれた、長男の田中京氏である――。

時は現代に戻る。まもなく中央政界へ打って出る橋下氏を待っているのは、このような権謀術数渦巻く世界なのである。
〈文中一部=敬称略〉

11月18日公開のvol.4に続く・・・。

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