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永田町謀略録「政治家の殺し方」 第2回 橋本龍太郎(元首相) vol.2

[週刊大衆11月26日号]

飛ぶ鳥を落とす勢いだった首相・橋本龍太郎だが、幸運は続かなかった。
「普天間問題だけでも、日本を思惑どおりに治めたいアメリカをはじめとした既得権益者の"虎の尾"を、橋本は踏んで、怒らせた。加えて、アメリカの金融問題にまで触れてしまったんです」(元公安当局関係者)

97年6月、コロンビア大学での講演で、橋本は、「米国債を売ろうという誘惑に駆られたことはある」と語る。この発言を受け、ニューヨーク証券取引所の株価が10年に一度の大幅下落を見せたのだ。
「混乱に陥れた過失を大きく見たアメリカにより橋本は政界を追われた」(前出・公安関係者)との策謀説は、現在もまことしやかに語られている。

さらに、ロシアとの北方領土問題を解決の一歩手前まで運んだことも、アメリカの怒りを買ったという。
「橋本政権下での交渉で、北方四島のうち"二島返還"が実現寸前にまでこぎつけていたという指摘もあります」(前出・ベテラン記者)

エネルギー大国・ロシアに日本が近づけば、石油開発への出資や天然ガスの輸入などに道が拓ける可能性も高まる。だから、米政府が両国の接近を一貫して妨害しているというわけだ。
「こうした(日本の)アクションを煙たがっているのは、まずはアメリカ。そして、対米追従を是とする日本の官僚組織。さらに、経世会と対立する、清和会でしょうね」

こう思わせぶりに話すのは、元自民党総務会関係者。つまりは、同じ自民党内にあっての"内ゲバ"があっただろうというわけだ。
誤解を恐れずにハッキリいえば、米政府にとってこのうえなく好ましい政策をとるのが、清和会。その清和会と対立する経世会に属する大物政治家の多くは、どういうわけか、スキャンダルで失脚しているのだ。

『永田町抹殺指令!嵌められた政治家』(双葉社)を著した鈴木文矢氏は語る。
「竹下登はリクルート事件、金丸信は佐川急便事件、そして、橋本龍太郎も例に漏れず、彼ら経世会の面々は、政敵からと思しき醜聞攻撃で、政界を後にすることとなりました」

首相を辞したのちの04年に橋本の身に起きた日歯連事件は、その象徴だった。
「自民党の大口スポンサーだった日歯連(日本歯科医師連盟)が、橋本派議員に巨額の小切手を渡した。しかし、この献金が派閥の収支報告書に記載されていなかったというのが、この事件です」(前同)

マスコミは"金権政治の象徴"と騒ぎ、詳細を連日報道。政敵のリークも囁かれ、"国策捜査"説も飛び交っていたが、この事件で、東京地検特捜部の執拗な事情聴取を受けた永田町の住人の一人はこう述懐する。
「私にはアメリカの諜報部隊が何をやったとか、そういうことはわかりませんが、特捜部の調べに第3者の大きな影のようなものを感じました」

数人の関係者が東京地検特捜部に逮捕されたが、結果、橋本をはじめとする大物議員は逮捕を免れる。しかし、この事件を受け、橋本自身は、橋本派の会長を辞し、政界引退。こうして政治生命は絶たれた。

11月24日公開のvol.3に続く・・・。

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