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低視聴率でも満足度高し!! フジ月9『いつ恋』は“リアルな東京ラブストーリー”だった

低視聴率でも満足度高し!! フジ月9『いつ恋』は“リアルな東京ラブストーリー”だった

 初回の平均視聴率が11.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、低調スタートになってしまった月9ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系)。有村架純と高良健吾がW主演を務め、『東京ラブストーリー』『Mother』『最高の離婚』など、数々の名作を手がけた坂元裕二が脚本を担当。月9定番の王道ラブストーリーが描かれることから、“2016年版東京ラブストーリー”として注目を集めていましたが、フタを開けてみればやや肩すかしな結果となってしまいました。

 唯一の肉親だった母親の死後、北海道の田舎町に住む血のつながらない養父母に引き取られた音(有村架純)は、田舎町のクリーニング店で働きながら寝たきりの養母を看病する毎日。養父の一存で決まった地元の名士・白井(安田顕)との結婚を控えた音の前に、ひったくられたバッグを返すためだけに東京からやってきた練(高良健吾)が現れます。そして養父母の住む家、育った街を捨てた音をトラックに乗せた練は、東京に向かうのでした。

 初回のあらすじは、おおまかに言えば以上の通り。主演2人の出会いを中心にストーリーが描かれましたが、有村架純演じる音の、あまりに不憫な環境でのどうにもならない閉塞感が強く、全体的に暗く重い展開になっていました。『東京ラブストーリー』のような華やかな恋愛ドラマを求めていた視聴者にしてみれば、少々期待ハズレだったのではないでしょうか。今回はこのあたりが視聴率に表れてしまったのではないかと推測できます。

 ただ、確かに「カ~ンチ!」的な要素は1ミリもありませんでしたが、テレビドラマとして観れば、非常に質が高いものだったのではないかと思います。「王道のラブストーリー」が謳い文句の『いつ恋』でしたが、どちらかといえば「社会派」の要素が強いドラマだったように感じました。

 音とその養父母、ボロアパートで生活しながら肉体労働で生計を立てる練、そしてその職場の先輩たちと、このドラマには貧困に陥っている登場人物が多く登場します。そして、介護問題にシングルマザー問題と、現代が抱える社会問題がこれでもかとリアルに描かれているのです。

 中でも、生活に困っているシングルマザーに対して白井が放った、「後先考えないで子ども産んだ人なんて、甘やかしちゃダメだよ」というセリフには、非常に胸が苦しくなりました。ドラマでは非道なキャラとして描かれていますが、世間のシングルマザーに対する本音は、白井の発言こそ大多数なのではないでしょうか。このあたりのセリフの妙には、「さすが坂元脚本!」と唸らずにはいられません。

 我々が思う『東京ラブストーリー』とは全く異なりますが、2016年における東京で若者たちの恋が非常に緻密なリアリティを持って描かれているという点では、間違いなく「現代版東京ラブストーリー」と言える作品なのかもしれません。

 さらに、役柄と女優がうまくハマっている点も素晴らしいです。有村架純は田舎の不幸娘が実によく似合う! 音は他の華やかでキレイ過ぎる女優では絶対にハマりません。これほどまでに「ちょうど良い」女優は、今なら有村さん以外に考えられないくらい。そして、初回は登場シーンが多くありませんでしたが、高畑充希さんにも注目したいです。素朴でボーイッシュな印象が強いので、今回の木穂子のような色っぽいキャラはイメージになかったのですが、地方出身者が東京で一生懸命に背伸びしている、垢抜け切れない女の子という役どころがドンピシャ! 今後の活躍も非常に楽しみです。

 作品の質さえ良ければ視聴率は後からついてくるもの。今期の月曜9時は楽しい時間を過ごせそうです。

兼業主婦レオ子ポン
元雑誌編集者で、現在はフリーライターとして活躍している一児の母。趣味はパチンコと三代目J Soul Brothers。暇とあらばテレビに張り付く根っからのインドア派で、好きな番組は『ヒルナンデス!』。

低視聴率でも満足度高し!! フジ月9『いつ恋』は“リアルな東京ラブストーリー”だった

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