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短期集中新連載 永田町謀略録「政治家の殺し方」 第3回 小沢一郎(国民の生活が第一代表) vol.1

[週刊大衆12月03日号]

今月12日、「陸山会事件」控訴審で無罪判決が出た「国民の生活が第一」の小沢一郎代表。「日本維新の会」の橋下徹代表とともに、「第三極」のキーマンと目され、連携も取りざたされる彼もまた、「殺された」政治家の一人だろう。

小沢が変わらず目指しているのは、彼の著書『日本改造計画』にもあるように「政治主導」「地方分権」「"国"として自立すること」だという。これは橋下代表の主張とも重なり、「既存システムの住人」には、危険かつ脅威であると認識され、"抹殺"を決意させたというのだ――。

※※
連載第1回で取り上げた田中角栄の流れを汲む、小沢一郎。圧倒的な集金力と卓越した選挙術で頭角を現わしてきた。その力を背景に、非自民・非共産の連立政権である細川護煕内閣を誕生させ、いわゆる守旧的な「55年体制」を終焉に導いた人物である。

その後、新進党、自由党を結成、03年には民主党と合併し、2大政党による政権交代可能な政治状況を作り出し、日本の「政治の形」を大きく変えた。そして、09年8月、民主党は衆院選で自民党に圧勝し、政権交代を果たしたのだった。
「彼の政治家人生は、新党を作っては壊しの連続で、政界を混乱に陥れるイメージが確かに強い。しかし、"検察による小沢攻撃"がなければ、小沢政権が生まれていたはずです」(全国紙編集委員)

ここでいう"検察による小沢攻撃"とは、冒頭の「陸山会事件」のこと。
「歴史的勝利を達成した衆院選の3カ月前の09年5月、小沢は政治資金規正法違反で逮捕され、民主党代表の座を降りました。結果、無罪となりましたが、不当に小沢がターゲットとされた"国策捜査"であるとの指摘がなされてきたんです」(ベテラン記者)

御年70を迎えた小沢一郎。その人生は、政局に左右されてきたといっていいほど激しいものだ。

まずは、その半生を振り返ってみよう。1942年、のちに衆議院議員となる小沢佐重喜の長男として生まれた小沢一郎。68年、佐重喜が亡くなると、その翌年、父の跡を継ぎ、自由民主党の公認で、地元・岩手から衆議院選挙へ出馬。見事に当選し、27歳という若き代議士が生まれた。

この衆院選のかじ取り役として幹事長の要職にいたのが、田中角栄その人。かの金丸信は、このとき、新人議員たちの教育係で、小沢との師弟関係はここで形作られたものといわれる。

こうした大物に「秘蔵っ子」として寵愛され、大きなバックボーンを早くも手にした小沢。出世も早い。
「85年、中曽根康弘内閣で自治大臣・国家公安委員長として初入閣。89年の海部俊樹内閣では、史上最年少の47歳で幹事長就任。大先輩である宮沢喜一、渡辺美智雄、三塚博らを呼びつけ、"次期総理の面接"を行なうなど権勢を誇りました」(前同)

小沢は田中派から分かれた竹下派(経世会)に属し、87年、続く竹下登内閣では官房副長官を務めた。だが、のちに、その竹下に牙を剥かれることになろうとは、予想できなかっただろう。

96年、竹下の指示のもとで、秘かに結成されたのが、「三宝会」と呼ばれた組織。小沢が自民党を離党し、93年に細川政権を誕生させたことに脅威を覚えた竹下が動いたのだ。
「メンバーは、最高顧問に竹下、財界から関本忠弘NEC会長、そして"永田町のフィクサー"と称される福本邦雄フジインターナショナルアート社長など、大手マスコミ幹部もズラリ。権力者たちが集まる、権力そのものの集団です。マスコミを利用して小沢の政治生命を絶つ方法を模索していたといいます」(同)

小沢を抹殺すべく、政界・財界・マスコミの長老たちがギュッと知恵を絞って、工作を企てていたのだというから驚くばかりだ。加えて、霞が関の官僚たちも、小沢を陥れようと働きかけをしてきたという。

『永田町抹殺指令! 嵌められた政治家たち』(双葉社)を著した鈴木文矢氏はこう語る。
「小沢の一貫した主張の一つが、明治維新以来、日本に深く根づいた官僚主導体制の打破。こうした彼の思想に、霞が関の官僚たちが敏感に反応したことはいうまでもありません」

その急先鋒の一つが、内閣法制局だという。
「自民党政権時代、閣僚が満足に国会答弁できず、官僚が代わりに答える姿をよくテレビで見たことがあると思います。この"政府参考人制度"は官僚に政治介入のスキを与えると判断したのが小沢で、同制度を廃止し、内閣法制局長官の答弁を禁止するように訴えてきたんです」(前同)

11月30日公開のvol.2に続く・・・。

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