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SM理論で見えたプロ野球12球団「本当の優勝力」決定版 vol.1

[週刊大衆7月8日号]

交流戦も終了し、6月21日から両リーグでの戦いが再開したプロ野球。交流戦終了時点で、セは巨人と阪神が大きくリード。パは混戦のなか、昨年優勝の日本ハムがまさかの最下位で、今季もBクラスと思われた楽天がロッテと首位争いを演じるという予想外の展開を見せている。

だが、実は本誌はこの展開を事前に予測していた。開幕時に特集したSM(セイバーメトリクス)理論を基にした順位予想では、日ハム5位、楽天1位。現実がほぼ本誌の予測どおりに展開しているのだ。

的中率抜群のSM理論。まずは、この考え方を復習しておこう。
「SM理論は、選手の評価や球団の隠れた実力を統計学的に判定しようとするアメリカ発祥の理論です。投手の実力を判定するWHIP、打者の実力を判定するOSPという2つの数値を主に使います」(専門誌記者)

WHIPは、被安打と与四球を足して投球回数で割って算出する。1イニングに四球やヒットを出さず、いかに出塁を抑えたかを表わしており、通常の投手なら1・20~1・40程度。低ければ低いほど優秀な投手ということになる。

一方のOPSは、出塁率と長打率を足したもの。標準値は0・70~0・76。0・80を超えると一流。0・90を超えると超一流の打者となる。

当然、この2つの数字はチームの実力を判定する場合にも有効で、選手の平均WHIPが低く、平均OPSの高いチームは、優勝の可能性が高くなる。

交流戦では、パのチームが軒並み上位を占めたが、両数値のリーグ平均を見ると、WHIPがセの1・32に対してパが1・30。OPSはセが・678に対してパが・715と、どちらもパのほうがよい数値なのが、それを物語っている。

SM理論は統計を元にしているので、データが増えれば増えるほど、その予測は精緻になる。今回は、前半戦のデータを基に後半戦の優勝力を分析。そこから意外な事実が判明した(vol.2・3を参照)。

まずは、セ・リーグ。現在、巨人と阪神が首位争いを繰り広げていて"2強4弱"状態だが、これは変わりそうもない。
両球団の強みは、平均WHIP、OPSがともに高水準なこと。投打ともに強いのだ。

今年の阪神は、盤石な巨人に負けじと新人・藤浪を含めた先発ローテ陣が大活躍。WHIPも軒並み高水準になっている。一方、弱点なのがリリーフ陣だが、「新守護神として獲ったボイヤーが額面どおり活躍すれば、十分巨人に太刀打ちできる」(スポーツ紙記者)

CS進出はほぼ確実で、優勝確率も高いのだ。

野球解説者の江本孟紀氏は、こう分析する。
「阪神が2位にいるのは、藤川がいないぶん、皆でなんとかしようと結束した結果。8年間で18完投、去年は4完投しかしていない能見が今年、すでに4完投。打では西岡の存在が大きいですね。最終的には、夏場の踏ん張り次第です」

ここまでは、現状を見る限り常識的な結果だが、驚くべきことに、この2強とCSを争いそうなのが万年最下位だったDeNA。

投手陣こそ相変わらずBクラスレベルだが、中日から移籍したブランコ、復活した中村紀洋を中心にした打線が爆発。平均OPSは、なんと巨人と並ぶ数値を誇る。
「今年のペナント後半は、"飛ぶボール"がカギになります。DeNAが例年に比べて好調なのは、明らかにボールの影響。投手陣が打たれても、ホームランで取り返せるわけです。他チームがしっかり対策しなければ、DeNAにとっては有利な状況といえます」(スポーツ紙デスク)

一方、飛ぶボールの恩恵をあまり受けていないのが中日だろう。
「打線の肝であるルナのOPSは1・015と破格ですが、ホームラン打者じゃないのが残念」(前同)

さらにルナ以外のレギュラーのOPSが低く、平均値が0・69とセリーグ最下位。そして、自慢の投手陣も崩壊状態とあっては、後半戦も絶望的だ。
「唯一の希望は、セットアッパー要員のマドリガル投手の獲得。髙木監督も尋常じゃない期待をかけています」(球団関係者)

ヤクルトも中日と事情がよく似ている。
「OPS1・117と、両リーグ2位の数値を誇るバレンティンがいるのに、それを繫ぐ打者がいないのが痛い」(前出・デスク)

広島も打力が悩みだが、WHIPが優秀。Bクラス内では頭一つ抜けそうだ。

続いてパ・リーグだが、こちらにも"飛ぶボール効果"が表われている。前半戦は、ロッテと楽天が躍進したが、実は、両チームともWHIPだけを見れば、ソフトバンクや西武に負けている。

両チームはOPS、すなわち打線の力で好成績を維持しているのだが、これは明らかにボール問題の恩恵を受けている。
後半戦もこの傾向が続きそうだが、そこに楔を打ち込むのがソフトバンク。
「ソフトバンクは出だしが悪かったですが、ここへきて持ち直しました。底力はあります」(前出・江本氏)

それは数字にも表われてきており、「WHIPが1・13と投手力は断トツ。これに加えて、交流戦に入って打者のOPSが軒並み急上昇しています」(デスク)

打線の好調が続けば、優勝候補筆頭といえよう。ただ、数字に表われない要因も無視できないのも確か。
「実は三木谷社長が最近、元ヤクルトの古田と急接近中。今年の結果次第で、星野監督を解任して古田を新監督にする可能性もあり、チームも必死なようです」(前同)

楽天がソフトバンク最大の敵になりそうだ。

昨年優勝した日本ハムだが、数値上は後半戦も厳しい予測となった。
「大谷にかまけすぎて、チームがボロボロになってしまいました」(江本氏)

ただ、一発逆転の秘策もないではない。それは、「大谷の投手専任化です。先日、スポーツ報知が日本ハム関係者にアンケートを取ったところ、投手専任を望む声が圧倒的でした。ローテの穴を埋めたい思いもあるんでしょう」(デスク)

中途半端な二刀流を捨てて投手専任にすれば、リーグ最悪のWHIPは一気に改善されるはずだ。

図らずも、ボール問題の影響が色濃く出た今回の分析結果。数字は冷徹だというが、各チームの飛ぶ統一球対策が数字に打ち勝てるのか、興味深いところだ。

7月2日公開のvol.2に続く・・・。

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