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絶対エース楽天 田中将大「負けない投球術」の秘密 vol.1

[週刊大衆7月1日号]

6月9日の交流戦、巨人を相手に今季無傷の8勝目を挙げ、昨季から続く連勝記録を12に伸ばした楽天の田中将大投手(24)。
いまや、ダルビッシュに代わる「日本のエース」とされるマー君が絶好調だ。

密かに"飛ぶボール"にされていたにもかかわらず、防御率は昨季の1・87から1・73に。6月9日の巨人戦に先発した時点での勝率は、無敗を意味する「10割」となっている。ただ一方で気になる数字も。
「奪三振率を見てみると、昨年が8・79だったのに対して、今季は7・70と、1ポイント以上もダウンしているんです。今季は剛腕が鳴りを潜めており、"あれはマー君じゃない"というファンも少なくありません」(スポーツ紙楽天番記者)

三振よりも打たせて取る投手に。なぜ田中は、かく変貌を遂げたのか?
「かつての恩師である野村克也さんも指摘しているように、今季の田中は"勝つためのピッチング"に徹しているんです。ノムさんは、"マー君は、現役時代、技巧派投手だった東尾のように、頭を使って投げられるピッチャーに成長した"といっています」(前同)

田中将大のイメージは、150キロ台のストレートを主体に打者を力でねじ伏せるというものだったが、専門家筋にいわせると、「それがそもそも誤り」なんだとか。田中のプロデビュー当時、ソフトバンクの監督だった王貞治氏は、「田中には、直球はもちろん、どの変化球もストライクとボールを投げ分けられる技術がある。高卒ルーキーとは思えない」と評していた。
また、田中の持ち球の中では、「実はストレートが一番下ではないか」とも漏らしていたという。"世界の王"は、田中の変化球投手としての可能性を早くから喝破していたようだ。
「田中は、切れ味の鋭いスライダーを軸とした多彩な変化球と、ストレートをうまく織り交ぜることで成長してきた投手。プロは皆、そう考えている」(パ球団スコアラー)

さらに田中は、シーズンごとに微妙に投球スタイルを「進化」させてきた。そして今季、「その進化が大きな局面を迎えた」と、多くの評論家が指摘している。

元巨人の投手で評論家の橋本清氏がいう。
「今シーズンの田中は、ツーシームやカットボールの割合が増えている気がします。ストレート系の変化球は、日米問わず現代野球の主流になっていますが、田中の投球も同様。ストレートの軌道で迫ってきて、打者の手元で少し動く変化球を増やしています」

ここで、田中の投げる球種を整理しよう。
○ストレート(いわゆる直球、近年はフォーシームとも)
○スライダー(縦変化と横変化がある)
○フォーク(縦に落ちる)
○シュート(投手の利き腕の方向に変化)
○カーブ(利き腕の反対側に大きく曲がる)
○チェンジアップ(速球と同じ腕の振りで投げるスローボール)
○カットボール(横スライダーより速く小さく変化する)
○ツーシーム(ストレートと同じ軌道で、打者の手元でわずかに変化)
○スプリットフィンガード・ファストボール(ストレートとフォークの中間、SFFと略される)

次に、これらの球種を、どの程度の割合で投げているのか、見てみたい。田中の投球の球種を「昨季→今季(6月9日の試合まで)」で比較してみると、次のような結果が出た。

○ストレート 36・62%→34・83%
○スライダー 29・56%→27・31%
○フォーク 14・68%→17・29%
○シュート 13・18%→14・44%
○カーブ 3・77%→4・40%
○チェンジアップ 1・78%→0・73%
○カットボール 0・41%→0・98%

「劇的」といえるような大きな変化は見られないものの、ストレートが若干減り、スライダーとチェンジアップの割合も少し減少しているのに対し、フォーク、シュートが微増。昨季までほとんど投げていなかったカットボールが倍増しているのがわかる。

カットボールの割合は約1%とごくわずかだが、「カットボールは、ストレートとほとんど同じ軌道を描くため、ストレートにカウントされてしまうことが多い」(前出・スコアラー)

つまり、実際には前述の数字よりも多投している可能性が高いのだ。評論家の関本四十四氏がいう。
「カット系が増えている印象があります。高校時代から投げていた"高速スライダー"を進化させたものですが、カットで微妙にスピードの変化をつけるようになってきました」

関本氏は、「右バッターにアウトコース低目のストレートを狙われやすくなってきたことに対処するため、変化球のパーセンテージを増やした」と分析する。

6月25日公開のvol.2に続く・・・。

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