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識者に聞く「がん治療に有効な病院」の選び方

[週刊大衆2016年05月09・16日号]

識者に聞く「がん治療に有効な病院」の選び方

 自分が、そして家族がいざというときに、頼るべきはどこなのか――。数字や指標の見方、そして考え方を専門家に直撃した!

 自分や家族にがんが見つかってしまった場合、大きな難題に直面する。発見された病院でそのまま治療するか、それとも、別な病院を探すべきか――。医学の進歩が著しいとはいえ、日本人の死因トップががんである以上、どの病院に頼るのかは、生死を分ける判断となりうる。命を預けるなら、誰もが「がん治療に有効な病院」にかかりたいと思うはずだ。

 では、何を頼りに病院を選んだらいいのか。識者にその見極め方を取材した。まず以下の、5年後の生存率例の表をご覧いただきたい。

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 これは、国立がん研究センターが公表している全国の「がん拠点病院」のデータを基に、本誌がまとめたものだ。症例数の多さは、がん治療の経験や設備が蓄積されている証拠となる。同時に、がん患者が集まるだけの“声望”があるとも言える。しかし、新潟大学名誉教授の岡田正彦氏(医学博士)は、次のように戒める。「症例数や患者の多い病院は、極端に少ない病院よりは安心だと言えますが、その数字が多いからといって、絶対に安心なわけではありません。あくまで必要最低条件と考えてください」

 これだけで判断すべきではないが、知っておくべき数字だということだ。症例数や手術数が病院の“経験”を示す指標であるならば、病院の“実力”を示す指標の一つが「5年生存率」である。「この数字が100%なら、なんらかの治療後、5年後に患者全員が生存しているという意味です。逆に、ゼロなら全員が亡くなっていることを示します」(前同)

 以下の患者の多い「がん拠点病院」ベスト104の表は、全国がんセンター協議会(全がん協)が公表しているデータを、大腸がんと肺がんについて、まとめたものだ。

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こうして見ると、5年生存率に大きな差があることが分かる。数字の高い病院に駆け込みたくなるのが人情だが、岡田名誉教授は、「これには“カラクリ”があるのです」と警鐘を鳴らすのだ。

 同氏によると、ここで注意すべきは、早期がん(ステージI)と末期がん(同IV)の比率だという。病院の設備や特性によって進行度による受け入れ具合は異なり、その結果、数字の大小が生じるからだという。「5年生存率で9割近い実績を持つ病院がほとんど末期がん患者を受け入れていない例もあれば、5年生存率6割の病院が多くの末期がん患者を受け入れている場合もあるのです」(同) したがって、どのステージにあるのかも病院選びの重要なポイントになるのだ。

 病院を決めたはいいものの、いざ入院や治療の際に、「ここで本当に大丈夫か?」という疑問はつきまとう。その際、岡田名誉教授は、以下の5項目をチェックすべきだという。
(1)主治医が治療法について説明してくれない
(2)主治医に質問すると怒る
(3)主治医が患者の話をきちんと聞かずに、一方的に決めつけてしまう
(4)診察室や白衣が汚い
(5)看護師の態度や言葉遣いが悪い

 これらに当てはまる主治医や病院は、治療以前の問題として、その姿勢が問われるべきという。では、その場合、どうすべきか――。ここで登場するのが「セカンド・オピニオン」だ。主治医とは別の医師に、「第2の意見」を求めることをそう呼ぶが、最近はセカンド・オピニオン専門のクリニックも増えている。元東京大学附属病院の医師で、現在はがん治療相談を専門に行う東京オンコロジークリニック院長の大場大氏が次のように解説する。「セカンド・オピニオンを受けることによって、自身が受ける治療への理解が深まるきっかけになります。また、最善の治療を確認できたり、治療選択の幅が広がる場合もあります」

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