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日産の飛躍なるか? 自動車業界「世界4強時代」大予想

[週刊大衆2016年06月06日号]

日産の飛躍なるか? 自動車業界「世界4強時代」大予想

「まさかのシナリオに、業界のみならず、経済界全体が騒然としています」 経済紙記者がこう話すのは、4月に発覚した三菱自動車(以下、三菱自)の燃費偽装問題に端を発する一連の騒動。同社は4車種の燃費を実際より上に見えるよう細工していたのだ。

「三菱自の不正は、これが初めてではなく、2000年の大規模なリコール隠し事件、10年のエンジンオイル漏れ隠ぺい事件に続き、16年の間で3度目。繰り返される裏切り行為に、明治から続く老舗メーカーも、これで終わりだと思ったんですが……」(前同)

 偽装発覚前は864円だった同社の株価は、偽装公表後に468円に暴落。廃業もやむなしの状態だったが、5月12日、日産のカルロス・ゴーン社長が三菱自を、ルノー・日産グループの子会社にすべく、株式34%を取得すると発表。三菱自の益子修会長と、固い握手を交わしたのだ。三菱自と日産は、もともと技術・生産面において協力関係にあったが、「まさに寝耳に水」(同)の資本提携は、自動車業界のパワーバランスをも揺るがしかねない“大事件”だった。

「ルノー・日産は年間販売台数で約960万台に達し、同980万台で世界3位のGM(米)に肉薄。トヨタ(約1100万台)、VW(約990万台、独)と肩を並べる自動車業界の“新4強時代”の幕開けになると思われます」(前同)

 とはいえ気になるのが、三菱自の信用問題。前述のように、同社は背信行為を重ねた結果、近年、販売台数で苦戦を続けていた。ゴーン社長は、三菱自動車の名称を残すことを明言しているだけに、今後の好転は厳しいようにも思えるのだが……。自動車業界に詳しいライターは、こう話す。「ゴーン社長はコストカッターの異名を取るように、利益を第一に考える冷徹な経営者です。だから、信用が失墜した企業を傘下に入れたのには、明確な勝算があると考えるべき」

 そこで注目は、次世代エコカーの技術開発だ。「車種の少なさなど、企業として弱みが目につく三菱自ですが、唯一、他の大手メーカーと対等以上に渡り合えるのが、アウトランダーに代表される『PHV』(プラグインハイブリッド車)の技術蓄積」(前同)

 PHVとは、電気自動車とハイブリッド車を融合させた車で、バッテリー残量に怯えることなく運転できる“夢の車”。ただ、電池の開発には高度な技術が必要で、ルノー・日産は3強の後塵を拝していたのだ。「日産は、その技術を取り入れて、新車種の開発を進める算段です。次世代エコカーの開発が自動車業界の行方を左右すると言われていますから、4強時代の到来は世界経済にも影響を与えると思います」(同)

 5月18日、スズキにも燃費の測定不備が発覚するなど動きは不穏だが、「スズキはともかく、三菱自は相川哲郎社長が辞任を表明したので、追及は幕引きでしょう」(同) 幾多の思惑が交錯する、日産による三菱自動車の子会社化。今後、不正が行われないことを祈るばかりだ。

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