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津川雅彦も被害に…恐ろしすぎる日本の「誘拐犯罪史」

[ヴィーナス2016年06月07日号]

津川雅彦も被害に…恐ろしすぎる日本の「誘拐犯罪史」

 いつの時代でも女性や子どもが被害にあう、身代金やいたずら目的で、凶行に及ぶ人間のしわざを顧みる!

 2014年3月に行方不明になった埼玉県朝霞市の女子中学生(15)が、約2年ぶりに保護された事件で、朝霞署捜査本部は、3月31日、未成年者誘拐の疑いで、東京都中野区在住の寺内樺風容疑者(23)を逮捕した。

「女子生徒は、27日に中野区のマンションから逃げ出し、東中野駅の公衆電話から自宅に電話。2年ぶりの連絡を受けた母親と女子生徒が、それぞれ110番をして、警視庁の警察官に保護されました。寺内容疑者は3月28日の未明、静岡県伊東市内で血だらけで歩いているところを、身柄を確保されました。右の首には自殺を図ったと思われる切り傷があったそうです」(全国紙社会部記者)

 この事件の異常性から、報道は過熱。そんな中、未解決誘拐事件の群馬・功明ちゃん誘拐殺人事件を元に描かれたといわれている横山秀夫の傑作ミステリー『64』が、佐藤浩市主演で映画化、公開された。「刑事部と警務部との攻防に、未解決の誘拐殺人事件、主人公の娘の失踪といった要素が複雑に絡み合う、重厚な人間ドラマの中で、誘拐事件の罪深さが見事に浮き彫りにされています」(映画ライター)

 特に首都圏では、隣に住む人の顔も分からないというのが当たり前になってきた時代。だからこそ、ここで一度、世間を騒がせ、子を持つ親を不安に陥れた誘拐事件を、振り返っておく必要はあるだろう。

 昭和の誘拐事件で、最も多くの人々の記憶に残っているのは、昭和38年に起きた「吉展ちゃん誘拐殺人事件」ではないだろうか。同年3月31日、東京・台東区入谷町に住む建築業者の長男・村越吉展ちゃん(当時4歳)が、自宅近くの公園に遊びに出かけたきり帰ってこないことに気づいた両親が、迷子を疑い警察に通報。当初、新聞などでは誘拐ではなく、「行方不明」として報じられた。

 ところが、聞き込みの中から、吉展ちゃんが公園で“30代の男性”と話していたという目撃情報から、誘拐の疑いが浮上。すると、4月2日には、犯人から身代金50万円を要求する電話が入ったのだ。「上野駅の電話ボックスでの受け渡しには失敗したものの、被害者宅からわずか300メートルしか離れていない自動車販売店にある軽三輪自動車での受け渡しには、まんまと成功。捜査員が現場に張り込む前に、身代金の受け渡しに向かった親族が、指定場所に身代金を置いて、犯人の指示に従い、その場を立ち去りました。その間に犯人は身代金を持ち去ったんです。警察の大失態でした」(地方紙報道部記者)

 捜査の転機は、2年半が過ぎようとしていた65年7月に訪れる。公開捜査や脅迫電話の声紋分析から浮上した男の事件当日のアリバイに不明確な点があることから参考人として事情聴取し、ついに自供。犯人は小原保元死刑囚(71年執行)だった。「小原は、吉展ちゃんを親に返せば、自分の足が不自由であるということから犯人と特定されると考え、誘拐直後に吉展ちゃんを殺害。荒川区円通寺の墓地から発見された吉展ちゃんの遺体を検証した東京都監察医の上野正彦氏は、遺体の口元から、2年で発芽するネズミモチが生え出しているのを見つけ、土中に2年も埋められていたことを確信したといいます」(前同)

 冒頭にもあるように、朝霞市女子中学生行方不明事件は、被害者保護、容疑者逮捕をもって解決したが、「ネットの情報や、地図アプリで誘拐する場所を絞り込み、失踪マニュアル本などを参考に、周到に準備して行われた犯行は、現代社会に潜む様々な危険性を浮き彫りにしました。警察には、よりきめ細かな対応、捜査方法が求められることになるでしょう」(前出の全国紙社会部記者)

 3億円という高額身代金でも世間を驚かせたのは、06年の渋谷女子大生誘拐事件だ。美容外科医で、池田ゆう子クリニック院長の池田優子さんの長女・果菜子さん(当時21歳=大学4年生)が、渋谷区の自宅から通学のため、バス停でバスを待っていた午後0時25分頃、男性2人に強引にワゴン車に連れ込まれ、誘拐されるという事件が起きた。

「犯人たちからは、“警察に通報すれば殺す”という脅迫とともに、すぐに身代金3億円を要求する電話がかかってきたといいます。その回数、実に14回。しかし、白昼堂々の犯行だったので、車のナンバーを目撃していた女性や宅配便ドライバーなどの証言により、使用された車がすぐに特定され、翌27日には、川崎駅付近でこの車を運転していた韓国人と中国人が誘拐容疑で逮捕。監禁場所が判明した。午前1時25分頃には、川崎市中原区内のマンションに警察が突入し、果菜子さんを保護。伊藤金男容疑者が逮捕されました」(テレビ局報道記者)

 犯人たちは、池田優子さんが“時給100万円”のセレブ女医として、テレビ番組『世界バリバリ★バリュー』(TBS系)に出演していたのを見て、大金が取れると誘拐を計画したという。「一般人がマスコミへ派手な露出をしたことが、娘を危険な目にあわせた原因だと、池田さんには心ない批判も一部で囁かれましたが、憎むべきは犯人です。しかし、この06年から、高額納税者公示制度が廃止になるキッカケの一つともなりました」(前同)

 そう考えると、テレビや映画での活躍で、庶民には考えられない大金を稼ぐ芸能人は、こうしたリスクと隣り合わせとも言える。

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