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歴代宰相と徹底比較 安倍晋三「総理の器」大検証 vol.2

[週刊大衆5月20日号]

また、TPPという難題も待ち構えている。
「日本経済を根底から変える可能性もあるTPPは、江戸時代末期、開国か攘夷かで国論を二分した国家100年の大計にも匹敵する政治課題だ。推進派の安倍首相が、反対を押し切って決断できるか。ここでも首相の力量が問われる」(自民党幹部)

こうした重要課題を、固い決意で乗り切った首相たちがいる。
行政改革の大ナタを振るい、国鉄民営化では何千人もの"ナマ首"を斬った中曽根康弘元首相。そして、盟友をも次々と"抵抗勢力"と断じ、一大政治的賭け「郵政選挙」に打って出た小泉純一郎元首相だ。
「中曽根元首相は、靖国神社公式参拝や防衛費1%枠撤廃など、轟々たる反対の大嵐もなんのその、敢然と主義主張を通しました。小泉元首相も、党内の恨みつらみを前に"政界では権力闘争は当たり前だ"と突っぱねた。2人に共通したのは、政治家としての"信念"。その毅然とした態度には、反対派議員も一目置いていました」(前同)

安倍首相が学ぶべきは、信念を貫く"男の度胸"なのかもしれない。

一方、外交も難問山積だ。
「尖閣問題に象徴される対中関係、対北朝鮮問題では韓国の新大統領・朴槿恵との親密連携が期待されているのに、いまだに、その気配さえない。また、戦後一貫して日本の悲願だった北方領土返還問題にも、なんらかの決着をつける時期にも来ています」(通信社外信部記者)

日本外交史に残る決断をしたのが、安倍首相の祖父・岸信介元首相だ。1960年、政治生命どころか、現実の命の危険すら冒して日米安保条約を改定している。
「岸信介元首相は見た目が妖怪っぽいでしょう? しゃべり方も妖怪じみていて、普通じゃない感じが顔から出ていますよ。日米安保なんて、官僚言語でカモフラージュされているけど、本当は『日米軍事同盟』にほかならない。日独伊三国同盟以来の軍事協定を実現させてしまうその手練手管が、まさに妖怪たる所以ですよ」(前出・大川総裁)

また、安倍首相の大叔父に当たる佐藤栄作元首相も、1972年、沖縄の本土復帰を実現させている。
「近年でいえば、北朝鮮を電撃訪問、金正日国防委員長(当時)と初の日朝首脳会談を実現した小泉首相の功績が光る。日本人拉致を公式に認めさせ、蓮池薫さんら5人の拉致被害者の奪還に成功しました」(ベテラン政治記者)

前出の浅川氏は、安倍首相もまた、外交史に残る偉業を見据えていると見る。
「対中、対韓関係がこじれにこじれてしまったいま、安倍首相は北方領土問題でメドをつけ、袋小路にある日本外交に風穴を開けようとしています」

これが成れば、安倍首相も、岸信介や佐藤栄作、小泉純一郎ら自民党の"名宰相"たちと並び称されることは間違いない。

さて、「総理の器」において、最大の条件が人間力であることは、多くの識者が一致するところ。
「人間力は、言葉を換えれば"人たらし"と同義語。そんな人を引きつける魅力の筆頭は、"今太閤"と呼ばれた田中角栄元首相を置いてほかありません」(前出・ベテラン政治記者)

"人たらし"エピソードには事欠かない。
「まあ、人たらしのプロですよ。昔、派閥が違ううえ、角さんとはほとんど面識がなかった議員が、資金繰りに窮して角さんに300万円の借金を申し込んだことがあったんです。普通なら断わるのに、田中さんは"面識のない自分に借金を申し込むのは窮状並大抵のことではない"と即座にカネを用意。困ったときはお互いさまだ。これは返さなくていい"と、ナント、500万円入りの紙袋を手渡したんですよ」(自民党ベテラン議員)

窮地を救ってもらった議員は、その返済無用の500万円を前に感涙。固く忠誠を誓ったという。

大川総裁は、田中元首相を高く評価する。
「私も大川興業を率いる同じ"総裁"の立場でいうと、リーダーにとって必要な3条件は決断力、実行力、そして"笑い"です。この条件を満たすのは、やっぱり角栄さん。それも"ガンガン新幹線を作る。でも、土地を売って儲けちゃいかんよ"なんて、自分の政策で笑いを取れる。これをできる政治家は滅多にいない、高度な笑いです」

一方、TPPに関する会見などで安倍首相を取材した経験から、大川氏は「安倍さんは意外と笑いが取れる政治家」だという。
「安倍首相の場合は、品のいい、おしゃれな笑いで、聞いている人をクスッとさせてくれます。ただ、それは幹事長時代までで、首相になって消えてしまった。角栄さんでもわかるように、笑いの中に真実がある。だから、笑いをうまく使うべきなんです」(前同)

5月15日公開のvol.3に続く・・・。

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