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松村邦洋「『電波少年』の海外ロケは一番おっかなかった」~“まねぶ”人間力

[週刊大衆2016年07月18日号]

松村邦洋「『電波少年』の海外ロケは一番おっかなかった」~“まねぶ”人間力

『電波少年』で、本当にいろんなロケをしましたけど、海外ロケに行くときが、一番おっかなかったですね。成田空港に着くと、腹が痛くなりましたから。当時、年に2回くらいあったんですけど、ディレクターから“体、作っとけよ”って言われると、あーそろそろ来るなって。生ぬるい体だと、本当に怪我どころじゃすまないことになったりもするんで、スタッフの人たちは、海外ロケに行く2か月前ぐらいから、合宿して、筋トレしたり、ランニングしたりと体を鍛えていたんですよ。だけど、僕はぬるーい感じでしか鍛えて行かないから、現地に行って、大変な思いをしましたよ。

 なかでも、コモドドラゴンのロケはきつかった。海外ロケは基本、ADを連れて行ってないんですよね。だから、ディレクターの怒りが直で、僕に来るし、ある意味、僕がADっぽい役割だったんです。みんな寝ているのに、僕だけ火の番をさせられたり(笑)。他の番組で海外ロケに行ったときに、“うわー、なんて楽なんだ”って思いましたね。当時は、スタッフの人たちの“おもしろいものを撮ろう”っていう情熱がすごかったですからね。ただ、どうしたらおもしろくなるのかっていう明確な答えはないわけですから、ロケが終わると、毎回どんな結果だろうと怒られていましたよ。『電波少年』の、ロケ自体は地獄でしたけど、オンエアを見たら、編集でおもしろくしてくれていますし、みんなで作っていくものですから、今振り返ってみると、ある意味、楽でしたね。

  それよりも、『電波少年』が終わってから、今までやってこなかったネタをひとりで一から作っていくことのほうが、大変でしたね。モノマネのネタは、家で考えることが多いんですけど、好きな人でないとできないですね。好きこそものの上手なれっていうじゃないですか。好きになると、その人になりたいなあって思うんですよね。真似すること“まねぶ”が、学ぶの語源だって中尾彬さんにおっしゃっていただいたことがあって、ああその通りだなと思いました。ただ、真似をするっていうことは、相手に対して、とても失礼なことだと思うんです。自分の真似をされたときに、ものすごい恥ずかしい思いをして、うわー、こんなことしていたのかと。やっぱり、感謝の気持ちを持ってモノマネをやらないといけないなあって思いますね。

 そんな感じでお仕事させてもらって、もう50近くになりましたけど、今が一番、充実していて楽しいですね。これから、かなり老いていくと思うんですけど、ちょっと老いた今が、本当、幸せだなと感じますね。若いときは、夜遅くまで起きていて、翌日の12時とかまで寝ていましたけど、今は朝6時とかに起きて、朝日を浴びながら近所を散歩するのが楽しいんです。近所のおじいさん、おばあさんとラジオ体操して、雑談したり。通勤途中のサラリーマンの表情を観察するのも、楽しいですね。

 街を歩いていると、いろんな発見があるんです。ここの場所は昔なんだったんだろうとか調べると、意外な事実がわかったり、路地裏を歩いてみたら、こんなところにこんなお店があるんだとかね。思い出に残っているのは、東京の小伝馬町あたりを散策したとき。十思公園っていうのがあって、家族連れの方が、お弁当とか食べられていたんですけど、そこは吉田松陰の終焉の地なんですよ。昔、斬首とかあった場所だったんだなと思うと、不思議な気分でしたね。

 若い頃は、いろんなところにロケで連れていってもらいましたけど、次から次へって感じだったんですよね。今は、その場所に何があるのかじっくり見て、調べるってことが大事だなと思うし、そっちのほうが思い出に残ります。若い頃に比べて、余裕が出てきたんですかね。今までやらなかったことが妙に好きになってきましたね。

撮影/弦巻 勝


松村邦洋 まつむら・くにひろ
1967年8月11日、山口県生まれ。A型。大学時代に、テレビ局でのバイト中に片岡鶴太郎に才能を認められ、芸能界入り。ビートたけしなどのモノマネで、一躍脚光を浴びる。その後、映画やドラマにも出演し、活躍の場を広める。ほかにも有名人の似顔絵で個展を開くなどマルチな才能を発揮している。現在は『DJ日本史』(NHKラジオ第一)、『ラジオ・ビバリー昼ズ』(ニッポン放送)、『松村邦洋のOH-!邦・自慢』(山口放送、他9局)『PAO~N』(九州朝日放送ラジオ)など多数のレギュラー番組を持つ。

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