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50代からの「がんにならない生き方」

[週刊大衆2016年08月22・29日合併号]

50代からの「がんにならない生き方」

 7月31日、日本全国に衝撃的なニュースが流れた。優勝回数は歴代3位となる31回、1989年に角界初の国民栄誉賞を受賞した元横綱・千代の富士の九重親方が膵臓がんで、61歳の若さで死去したのだ。「昨年6月の健康診断で膵臓がんが見つかり、名古屋場所を休み、即手術をしました。ですが術後の検査で、他の臓器への転移が判明。これ以上、手術はできなかったため、副作用が強く日常生活に影響が出る抗がん剤治療もやむなしという状況でした。しかし、実際に九重親方が選んだのは『四次元ピンポイント照射療法』でした」(角界関係者)

 全国で1か所しか受けることができない先端医療に、望みを託したのだという。「治療を受けながら、相撲協会の監察委員の業務や弟子の指導を行っていましたが、7月の名古屋場所の途中で体調が急変し帰京。入院していましたが、帰らぬ人となってしまいました」(全国紙相撲担当記者) 昭和の大横綱も勝てなかった難敵“がん”は、50代から、その患者数が統計的に増加。そこで今回は、がんにならないための生活習慣を紹介していこう。

 早期発見・早期治療のためには、がん検診を定期的に受けることが重要とはよくいわれるが、実は、その弊害もあるという。『がんは8割防げる』(祥伝社)などの著書があり、新潟大学名誉教授(専門は予防医学)で現在、水野介護老人保健施設長を務める岡田正彦氏は次のように解説する。

「がんに限らず、一般の健康診断でもレントゲン検査を受けることが多いですが、強い放射線を浴びることで、がん発生のリスクが高くなるのです。中でも、胃のバリウム検査やCT検査に1回で浴びる放射線量は、胸部レントゲン検査の100倍以上。英国の調査結果によれば、我が国におけるがんの3.2%はレントゲン検査が原因と断定されています」 なんと良かれと思って受けた検査が、がんの原因になりうるというのだ。「自覚症状があるなら、レントゲン検査やCT検査もやむなしですが、それ以外の場合、がん検診は必要ないです」(前同)

 一方で、胃がんと関係の深いピロリ菌感染の有無を調べる検査を受けることを勧めるのは、医療ジャーナリストの牧潤二氏。「50歳ともなれば大半の方は感染しています。感染していると分かれば当然、除菌してもらってください。ピロリ菌が原因で萎縮性胃炎(慢性胃炎が悪化した状態)が進行すると胃がんのリスクが高まるからです」 また、痩せすぎている人も注意が必要だという。「栄養不足による基礎代射や免疫機能の低下などが、がんのリスクを高めうるからです」(前同)

 デスクワークが中心の仕事をしている人も要注意。体を動かさない=肥満になり、発がんリスクが高まるからだ。「心拍数の上がる運動を1日30分、週5日はしないと、がん予防にはなりません。散歩程度ではダメです(笑)」(前出の岡田氏)

 サラリーマンにはつきもののストレスはどうだろう。「ストレスは免疫力の低下をもたらし、異常細胞のがん化を防げなくなります」(医学専門誌記者) ただし、「他人のストレスを客観的数字で表すことができないので、真相を確かめるのは容易ではありません。ただ1件、約10万人の看護師を対象にして、仕事のストレスと乳がんの関係を分析した米国での大規模調査があります。結果は因果関係はないというもの。一つだけの調査で結論を下せませんが……」と、岡田氏はストレスと発がんの関係に、それほど強い関係はないとみている。仕事のストレスがたまりっぱなしの会社員にとっては朗報か!?

 逆に、かなり深刻な影響があるのが、幹線道路の近くに住んでいる人だ。「オランダで行われた調査では、自動車の通る道路から半径50メートル以内に住む人は明らかに寿命が短く、特に肺がん(心臓病も)が多かったそうです。その理由は、車の排気ガスに含まれる二酸化窒素などの発がん物質量が格段に多いからです」(岡田氏)

 また、直径10ミクロン以下のチリの濃度が高ければ、その構成物が有毒物質でなくても肺がんリスクが高まるとの研究も。「ダイオキシン、アスベスト、野焼きのスス、日曜大工の木クズ、コピー機のトナーなど。神経質になる必要もないが、用心に越したことはないです」(牧氏)

 肺がんの要因は、2割がこうした環境汚染、そして8割はタバコとみられる。「肺がんに限りません。タバコは口腔がん、咽頭がん、食道がん、膀胱がん、膵臓がんのリスクを2倍に、白血病、大腸がん、胃がん、頸部がんのリスクを1.5倍にし、がん全体の原因の21%を占め、最強の発がん要因なのです」(岡田氏)

 なんとも恐ろしい数字だが、「50歳過ぎてから禁煙なんて無理」と諦めずに取り組んでみよう。「どちらかの親がタバコを吸う家庭で25年以上過ごした子どもは、成人してから肺がんになる確率が2倍というデータも」(前同) 副流煙により、非喫煙者ががんになるリスクも深刻な問題なのだ。

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