日刊大衆TOP 社会

特殊清掃員が見た「多発 熟年孤独死の衝撃現場」 vol.3

[週刊大衆12月31日号]

改めて部屋を見ると、書きかけの履歴書や警備用の蛍光棒、工事現場用のヘルメットが散らばっていた。
「部屋に散乱するそれらは、故人が必死に人生と闘った苦闘の跡でした。最初に"生活保護をもらっているのに……"と反射的に思った自分を恥じました。私が故人と同じような境遇に置かれたら、うまくいかない人生にどれだけ苛立ちや虚無感を覚えるか。カレンダーの印を見れば、この方だって、もがきながらも必死で生きようとしていたと思うんです」

傍目には怠惰な生き方のように見えるが、本人なりに少しでも前に進もうとしていた。だが、ついに限界にきて、カレンダーに「/」を引いてしまった……。
「仕事として、あえて感情を抑えてやっているんですが、現場で、ふと故人の生前の様子が垣間見える瞬間があるんです。やっぱり、そういうときには人生の切なさや、命の悲しさを再認識させられますね……」

命を失えば、すべて「死」のひと文字で表わされる。だが、一つとして同じ死はなく、それぞれが、一人の人間が積み重ねてきた生の歴史そのものだ。

特殊清掃員とは、故人がこの世に刻んだ歴史と最後に向き合う、"心のおくりびと"なのかもしれない。

この記事が気に入ったら
をしよう

いいね!

@taishujpさんをフォロー

大衆のオススメ


オススメタグ


人気記事ベスト10


日刊大衆公式チャンネル


Copyright(C) 日刊大衆 Futabasha Publishers Ltd. All rights Reserved.