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巨人・阿部慎之助「兼任コーチ就任」がもたらす“災厄”

[週刊大衆2016年09月05日号]

巨人・阿部慎之助「兼任コーチ就任」がもたらす“災厄”

 まさかの猛打復活で、鯉の尻尾にガブリと喰らいついた球界盟主。その猛反撃をお膳立てした男が、いずれは大きな災いの元になる!?

 高橋由伸監督率いる巨人軍の、夏場に入ってからの快進撃が止まらない。それまでの巨人は、セ・リーグ2位という順位を保ってはいたものの、勝率は5割に届かず借金生活が続き「今季は最下位でもおかしくない」と言われていた。

「ところが、阿部慎之助(37)が復帰してからは、まるで生まれ変わったかのようです。5月31日の復帰から33試合を戦って22勝11敗、勝率.667という進撃ぶりでした。特に、阿部が5番から4番に復帰した7月24日の対DeNA戦からの11試合では、9勝2敗、勝率.818という驚異的なハイペースで首位広島を猛追しました」(専門誌記者)

 阿部自身の調子がいいのはもちろんだが、特筆すべきは、阿部が4番に座ったとたん坂本勇人、長野久義、村田修一などの主力打者たちが、軒並みガンガン打ち始めたことだ。

「阿部4番復帰後11試合の坂本の打率は.744。シーズン打率も.343にまで上昇し、首位打者に躍り出ました」(前同) 村田も打率.395。11試合で14打点を荒稼ぎした。何より阿部自身も、4番に座ってからの11試合で打率.395、ホームラン3本、12打点とさらに大爆発を見せたのだ。一人で、貧打に泣かされていた今年の巨人を劇的に変えた阿部。

「阿部という軸が安定することで、チーム内に相乗効果が生まれましたね」 野球評論家の橋本清氏がこう言う通り、自ら先頭に立って強気のプレーをすることで全体を“総活躍”させ、活性化させる。まさに、野球版“アベノミクス”とでも言うべき状況が生まれているのだ。とはいえ、この勢いが“バブル”で終わってしまっては、それこそ本家アベノミクスの二の舞。

 「ここ数年の阿部はケガや体の衰えが目立ち、肩や腰、太ももなど満身創痍です。二軍での長い調整で現在は好調ですが、それが続くかどうかは不透明。そのため、球団は“次の一手”を考えているようです」(前出の専門誌記者)

 年齢からしても現役生活の終盤にさしかかりつつあることが明白な阿部を、どうしようというのか?

「来季から、阿部を“選手兼任コーチ”に就任させようというんですよ」(民放局スポーツ記者) 阿部復帰までの巨人が“貧打”といわれたのは、補強の失敗もあるが、坂本や長野に続く若手打者が育っていないことが大きい。そこで、巨人軍内部に、実力・求心力のある阿部を兼任コーチとして後進の指導を担わせるプランがあるという。

「加えて、昨年の高橋監督がコーチを兼任しながら“代打の切り札”で活躍したように、体の負担を軽減するような起用の仕方でなら、阿部も長く、その打撃力を発揮できるという腹づもりですね」(前同) 高橋、阿部という、長嶋巨人時代を知る生え抜き2人が、ベンチでもタッグを組む。G党にとってはこれほど理想的な光景はないのではないかと思いきや、あるベテランの番記者は、語気を強めてこう語る。

「とんでもない。そんなことになったら、一気にチームは大混乱だよ!」 一見いいことずくめに見える“阿部コーチ計画”だが、いったい、どこに問題があるというのか?

「今の巨人の打撃好調は、安定感のある阿部がコンスタントに出続けているからこそのもの。若手が育たず選手層の薄い状態は、来季も続くだろう。そんな中で阿部に出場機会減が予想される兼任コーチをやらせても、せっかくつながってきた打撃陣の力を損なうだけだ」(前同)

 確かに、現在の“アベノミクス”は完全に、阿部一人を中心に回っている感は否めない。だが、これをチームの地力とすべく、一旦の戦力ダウンは覚悟しても阿部のノウハウを若手に伝授する方法もあるのでは?

「阿部は人を育てるのが下手だからね。現在の正捕手である小林誠司とは前からソリが合わず、“あいつは何も訊いてこない”と見放したこともある」(同)

 阿部は現在、一塁を守っているが、ことあるごとに「もう一度マスクをかぶりたい」と公言している。それほど、捕手というポジションに執着しているのだ。「せっかく小林のリードが良くなってきたのに、阿部が指導的立場にありながら捕手にこだわれば、次の正捕手の芽をつむことになる。自分のエゴがチームを崩壊させる危険性を考えられないようではダメだ」(同)

 さらに、阿部コーチという「もう一つの中心」ができてしまうことが、由伸政権の獅子身中の虫となりかねないという。

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