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「ミサイル発射」は金正恩の権力誇示

[週刊大衆12月24日号]

北朝鮮が、また長距離ミサイル発射を通告した。
「"金正恩は父・金正日とは違い、軟化路線を取るだろう"という淡い期待もあったんですが……」という外交関係者は、こう続ける。
「今年8月、4年ぶりに再開された日朝局長級の実務者協議で、北朝鮮側が出してきた宋日昊(外務省朝日会談担当大使)氏は知日派。日本語も堪能で既知の日本人も多かったんです。

協議でも、北朝鮮による拉致問題の調査のやり直しの具体策について突っ込んだ議論が行なわれ、日本側は調査開始と同時に、人的往来の規制解除を実施すると提案。つまり、経済制裁の解除でした」

これに対し、経済状態が悪い北朝鮮側は、「拉致問題が少しでも進展すれば、日本からの物心ともに支援が得られる」と踏み、軟化のムードもあったという。

それが、まさかのミサイル発射通告。野田政権は北京で開催予定だった日朝協議の中止を決めた。

ただ、金正恩が再び強硬路線に転じたのかといえば、そうではない。
「北朝鮮内部では、金正恩が父・金正日カラーを一掃する権力闘争を実行しているから」という全国紙ソウル在住記者は、こう続けた。
「今年7月、李英鎬・元総参謀長が突然、解任されました。李は金日成-金正日と金王朝二代にわたって軍を統率する側近中の側近。その李が最高幹部会で"偉大なる金正日総書記の路線を継承し……"と発言した途端、金正恩の義兄の張成沢が解任を宣言しました。さらに、その後、次々と軍幹部が失脚。昨年12月に金正日葬儀で霊柩車に随伴した軍4人組は一掃され、軍幹部には70~80代に替わって40~50代の若手が登用されたんです」

金正恩は父の死後1年足らずで金正日の痕跡を消し去り、軍を完全掌握したのである。
「ミサイル発射は、金正恩が軍の全権を掌握して"オレでもできるんだ"ということをアピールするためのものですよ」(前同)

もっとも、国内の権力誇示は国際世論を硬化させた。浅はかなパフォーマンスで、拉致問題の解決が遠のかなければいいのだが。

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