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TPP参加表明が日本を分断!安倍内閣VS農協「全面戦争地獄絵図」 vol.2

[週刊大衆4月8日号]

党内では内ゲバも発生。
なかでも印象的だったのは、3月11日、自民党TPP対策委員会の席上での一幕。安倍首相からTPPのまとめ役を任された西川公也同委委員長に、地元・鹿児島の農業団体から支援を受け、TPPに反対している尾辻秀久・前参院副議長が猛烈に噛みついたのだ。

発端は、「座りなさい。なんで、こんなに急に会議を開く必要があるんだ」と厳しく詰め寄る尾辻氏に、西川氏が「命令調はないでしょう。命令調は!」と逆ギレしたこと。

売り言葉に買い言葉。尾辻氏もキレた。「何が悪いんだ!」と、怒声一喝。
西川氏も負けていない。「なんだよ」といい放つや立ち上がり、尾辻氏に体を近づけ、メンチ切り。
「70歳を過ぎた自民党の長老2人が、まるでチンピラの喧嘩。これがテレビで全国に放映され、その醜態は満天下に晒されました。国会議員らしからぬ言動に、お茶の間の人たちも、呆れ返ったことでしょう」(ベテラン政治記者)

政治評論家の浅川博忠氏がいう。
「西川氏は、ここで頑張れば大臣の道も開け、政治家として"有終の美"を飾れます。対して尾辻氏は、前回選挙は参院比例区での当選でしたが、今回は鹿児島選挙区からの出馬。地元に強烈アピールする必要に迫られていたんです」

それが、あまりにみっともない一触即発の寸劇になったという。

こんな狐と狸とは別に、本気で党執行部に叛旗をひるがえし、政治生命を賭ける者もいる。沖縄選出の自民党の國場幸之助氏(衆院議員=沖縄1区)が語る。
「私の選挙区には、小さな離島がたくさんあります。その中に、南大東村、北大東村という島があります。そこでは、水が極めて限られていて、台風の常襲地帯でもあるため、サトウキビ以外の農作物を作ることができません。島民が住むためにはサトウキビを作るしかない。もしTPPが導入されて、関税が撤廃されると、無人島になってしまうんです」

そうなれば即、尖閣問題と同様、一気に領有権問題に発展するだろうという。
「いま、尖閣にしても、竹島にしても、北方領土にしても、日本国民が住んでいないから紛争の対象になっている。サトウキビが離島を守っているといっても過言ではありません。実際、南大東島の製糖工場の煙突には"サトウキビは島を守り、島は国土を守る"という言葉がクッキリと刻まれています」(前同)

国土防衛の観点からも、深く認識すべきだと声を大にしているわけだ。

日頃、温厚で知られる五十嵐仁・法政大教授も、国家存亡の危機到来に反TPPの論陣を張る。
「仮にこちらの主張が100%通ったとしても、現行のコメ関税率778%は今後5~10年かけて撤廃されていく可能性が高い。そうなると、日本の農業が年を追うごとに力を失っていくのは火を見るより明らか。コメの海外輸出、あるいは大規模化など"新しい道"を取る選択肢もあるが、実質的に日本の農業を支えているのは兼業農家。これらの大規模化は不可能です」

壊されるのは、産業だけではないという。
「日本の農業は、祭りや祝い事という地方文化の礎でもある。それがTPPによって失われれば、当然の結果として日本の里山や古きよき田園が荒廃。さらに地方経済が落ち込んでいくことにも繫がります」(前同)

まさに、TPPは「国を売る政策そのものだ」と、声を強めて断じるのだ。

70%を超える高支持率とは裏腹に、方々から牙を剥かれ、まさに四面楚歌の安倍首相。だが、反対勢力の攻勢の前に、黙って指を咥えていたわけでなく、すでに着々と手を打っていた。不仲説も取り沙汰されていた"農水族のドン"石破茂自民党幹事長との一幕。
「石破氏は、農業県・鳥取の選出議員。TPPには慎重な態度を取るしかなかった。反TPPの敵将となる可能性もあり、そうなれば、安倍首相にとって一大反主流派となる」(前出・ベテラン政治記者)

そんな折、安倍氏は賭けに出た。石破氏にサシでの会談を申し入れたのだ。
「そこで正面切って協力を要請したといいます。石破氏も、いまだ高支持率を続ける安倍首相に真正面から歯向かえば、有力と見られる"ポスト安倍"の目が、どう転ぶかわからない。渋々とはいえ、TPP交渉参加に賛意を示さざるを得なくなった。懐柔されたわけです」(前同)

4月5日公開のvol.3に続く・・・。

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