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"御用学者"が明かした「暴走福島第一原発のいま」 vol.1

[週刊大衆4月8日号]

東日本大震災から2年。大事故を起こした福島第一原発は、今月18日に停電を起こし29時間も冷却不能になるなど、いまだ不安定な状態が続いている。改めて不安をかき立てる"フクイチ"。その現状を、あの"御用学者"はいま、どう見ているのか、直撃した――。

※※
大事故直後から専門家として数多くTV出演し、ネットなどで「御用学者」「東電の回し者」と罵られた澤田哲生・東京工業大学原子炉工学研究所助教(56)。

まずは、「御用学者」と呼ばれることを、本人はどう思っているのだろうか。
「決めつけが蔓延し、"あ、あの人"と街で突然呼び止められることもあります。しかし、私は政府にも東電にも縁は薄い。"本物の御用学者"は、この間、表に出て来ないし、いまだ同等か、それ以上のポジションにいる。3・11後、ちゃっかり某大学の教授に収まった人もいますよ」

それでも澤田氏はつい先日、著書『御用学者と呼ばれて』(双葉社刊)を出し、反・脱原発派とも対話すれば、福島第一原発や避難地域にも足を運んでいる。
「反・脱原発派と推進派の二項対立では何も前に進まない。"本物の御用学者"が表に出ないのは腹が立つというより情けない。しかし、それなら自分が専門家としていうべきことはきちんといい、反対派の意見も聞こうと。多くの人が原発に無関心でいられなくなったいまは、むしろ理解してもらえるチャンスだと思っています」

たとえば、こんなことがあったという。あるシンポジウムの休憩時間に澤田氏は2人組の女性に、「福島の人が困っているのに、あなたは責任を感じないんですか!?」と問われた。

だが、「感じてます。僕も福島の避難地域を何度も独りで見て、目頭が熱くなりました」などとやりとりしていると、彼女たちの表情に「あれ、何か違うぞ」と変化が見えたという。

一方、ある婦人からは、「自分の意見をいうのは勝手だが、なぜ子供に関しては"親が細心の注意を払って、できるだけのことをしたほうがいい"とひと言、付け加えられないの!?」と意見され、う~ん、と唸ったという。

飯舘村や南相馬市の住民との除染作業なども手伝ってきたという澤田氏。その交流も踏まえ、いま避難を余儀なくされている人の帰還を、どう考えているのか。
「人それぞれ事情があり、一律には語れない。20ミリシーベルト(年)以上であっても、帰りたい人はいる。私は、そういう人たちが帰る道を真剣に検討すべきだと考えます。そうした声を伝えるのも私の役割だと思う。ただ、そもそも政治がそうした思いを吸い上げるべきなのだが、何もしていない」

原発に関しては労働者の日常的な被曝、核廃棄物の処理問題もある。
「労働者の被曝は絶対に解消していかなければなりません。"トイレのないマンション"であるのも事実。問題を先送りするなという意見もよく解る。しかし、技術の発達がいずれ予想外の解決をする可能性もある」

とはいえ、ひとたび事故が起きると大惨事になることがわかった原発を、それでも再稼働すべきなのか。正直、怖いという人は多い。
「津波対策など安全性が確保されれば問題ないと思います。いま、活断層の有無が再稼働の焦点ですが、3・11で最大級の地震が襲った15基の原発の中で、地震で壊れたと証明されたところはひとつもない(可能性は指摘されている)。それに、電力不足から政治的に再稼働された大飯原発と比べ、安全性が同等以上とされる玄海原発などもある。ただ、再稼働はノーという人の気持ちはわかるし、それに対し、きちんと説明すべき。まずは正しく知ってもらうことが大事です」

では、多くの国民が知りたいはずの「福島第一原発の現状」について。まず今回の停電の原因から。
「配電盤にネズミが入りショートしたらしい。でも、なぜネズミが入るのか」

4月2日公開のvol.2に続く・・・。

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