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【武豊】最後の一冠はエアスピネルで奪取します

[週刊大衆2016年10月03日号]

 日本からただ一頭、「凱旋門賞」に挑戦するマカヒキが、前哨戦となったG2「ニエル賞」(芝2400メートル)で、見事な勝利を収めました。今年から、日本でも海外の馬券を購入できることになり、その第1弾が、この「凱旋門賞」ということもあって、スポーツ紙は早くもお祭り騒ぎです。

 でも、ずっと挑戦し続け、そのたびに分厚い海外の壁に跳ね返されてきた人間の一人としては、ここからが本当の勝負……というのが素直な気持ちです。海外のレースに挑戦し始めた頃、最大の課題は、いかにして長距離輸送のダメージを減らせるかだったといいます。

 水も大きな問題の一つでした。たかが水といわれるかもしれませんが、飲みなれない水を飲んで腹を壊したら、そこでアウトです。飼葉も同じ。調教にいたっては、日本とはまるで規模もスケールも違っています。考えられないほど広い森の中で行われる毎日の調教では、何が起こるか分かりません。実際、ディープインパクトは、ときどき顔を出すウサギや鹿に驚き、ばたばたしていたそうです。こうした失敗から学んだことを一つ一つ積み上げ、そこからさらに新たな工夫と努力を重ね続けてきましたが、それでもなお、正解を導き出せずにいる……それが、「凱旋門賞」というレースなのです。

 友道康夫先生をはじめ、スタッフの皆さん。僕も何度もお世話になっているシャンティイで厩舎を開業する小林智先生。そして金子真人オーナーにとって、この勝利の喜びは、ほんの一瞬、ここからが本当の勝負。無事にレース当日を迎え、1着でゴールするまで、神経をすり減らし、血を吐くような毎日が続くはずです。日本馬による「凱旋門賞」制覇は、日本人ホースマンの悲願。その一人としてマカヒキを応援していますし、僕も負けてはいられません。

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