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新体制も問題は山積習近平「不安な船出」

[週刊大衆3月25日号]

5日から始まった中国の全国人民代表大会で、胡錦濤体制から習近平体制へと移行する。10年に一度の政権交代で、政府と軍と警察の全権を握る習近平総書記。だが、万全の指導体制とはいえない危うさだ。

外務省関係者がいう。「意外かもしれませんが、日本の日銀総裁人事でも中国政府の不手際が見えた。新総裁となる黒田東彦氏はアジア開発銀行総裁でしたが、日本政府は黒田氏が日銀総裁になって空席になるアジア開銀総裁のイスを中国が狙うと見ていた。中国人がアジア開銀総裁になると、自国に有利な国に開発資金が回せますからね。ところが調べてみると、中国はまったく興味を示していない。それどころではない国内状況だったんです。おかげで、ポスト黒田のアジア開銀総裁も日本人でほぼ決まりです」

習近平体制のスローガンは、「平和発展から富国強兵へ」だ。胡錦濤体制は経済主義で対外協調路線だったが、ここ数年、これに飽き足らない軍部が尖閣列島での緊張を高めてきた。軍部には前々政権の江沢民氏が依然として影響力を持っていて、その江氏が強力に推してきたのが習総書記だ。
「習近平の課題は、胡錦濤の対外協調路線派の制圧と、自分を支持してくれた江沢民ら利権グループの一掃、そして軍部の完全掌握という、極めて難しい権力闘争です」(中国事情通)

もともと習総書記の政治手法は、外交も内政も強硬派。他国から国内の人権問題を指摘されると、過剰な反応を示してきた。
「09年、メキシコ外遊中に"腹いっぱいでやることのない外国人が、中国の欠点をあげつらっている"と米国を批判し、国際世論から顰蹙を買った。また、09年に死者197人、負傷者1721人に上る犠牲者を出した(一説では死者3000人)ウイグル人への武装弾圧事件の責任者といわれています」(前同)

全人代で明確になる富国強兵と国論統一のために、尖閣諸島問題が大きくなることは間違いない。また、広がる格差に不満を持つ国民への弾圧も不可避だ。

はた迷惑な"暴走国家"にならなければいいが。

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